もう二度と戦争はしない、決して過ちは繰り返さないと誓った日本。戦争放棄の憲法9条は、世界で高く評価されています。しかし、だんだんと雲行きがあやしくなり、安全保障関連法(戦争法)が、平和国家日本の変質を目論んでいます。それは許されることではありません。憲法違反の悪法廃止を求める2000万署名運動が、全国各地で加速しています。
(番匠 寛記者)
新宿駅前などで
東京
「政権の暴走を止め、憲法違反の戦争法は廃止を!」―。一日平均乗降客数世界一とギネスブックに認定されている東京・新宿駅の、デパートやファッションビルなどが軒を並べる西口で2月19日、力強い声が響き渡りました。東京をはじめ首都圏の生活と健康を守る会から50人を超える会員が集まっての署名・宣伝です。1時間で263筆の署名が寄せられました。
各生活と健康を守る会の代表が代わる代わる宣伝カーに立ち、戦争法の危険性と安倍政権の無法ぶりを訴えました。歩道では横断幕でのアピールや署名集めと辺りは反戦争法一色に染まりました。
あわただしく通り過ぎる人が多い中で、こちらから呼び掛けるまでもなく署名用紙を持った会員に自然とすり寄ってくる人や、「集めるから用紙をほしい」という人もいました。また、外国人男性の署名もありました。
「そこそこ関心は高いようだ」「人通りが多い所で訴えることが大事」―。参加者からはこんな感想が返ってきました。
この日は、北区や江東区などでも署名・宣伝が行われました。
北区の赤羽駅西口広場では、北区生活と健康を守る会(参加は18人)と区会議員後援組織「シニアーズ」(8人)が合同で取り組み、約130筆の署名を集めました。
「戦争は嫌だね。頑張ってね。私は何も協力できないけど、せめて署名だけでも」と年配の女性や、自らやって来て「署名するよ」と男性。いろいろな人たちから署名が集まりました。
小学生3人連れも足を止め、呼び掛けに「はい」とペンをとっていました。
「シニアーズ」が定期的に署名・宣伝を行っていることもあってか、戦争法や平和や、憲法9条などへの関心の高さが感じられた1時間でした。
毎月欠かさず
広島・安佐南
広島市安佐南区では9条の会に結集する安佐南生活と健康を守る会、年金者組合などの団体が合同で、毎月9の日に署名運動を行っています。かれこれ10年ほどになる取り組みで、今は2000万署名に全力を挙げています。5月までは署名集めの時間を、これまでの倍の1時間にすることを実行委員会で申し合わせています。
2月9日は約40筆の署名が集まりました。「二度と戦争を繰り返してはいけん。今の政府のやり方はひどい」と声を震わせて署名に応じた年配の女性からは、「もっと頑張って」と激励の言葉がありました。
2月19日には戦争法反対の学習会があり、80人が参加。改めて運動強化の必要性を確認しました。
講師は広島県9条の会ネットワーク事務局長を務める石口俊一弁護士。戦争法の前史として、湾岸戦争後の周辺事態法、武力攻撃事態法など有事関連法の成立を経て、憲法9条が空洞化されてきたこの四半世紀の経過を振り返りました。そして、「戦争法廃止、改憲阻止の闘いは今が正念場」と一層の奮起を呼び掛けました。
学習会後は二十数人(生活と健康を守る会からは6人)で1時間の署名・宣伝となりました。
「戦争法の成立で今後、自衛隊が海外で武器を使い、戦死者もでる可能性がある」との訴えに、署名85筆が寄せられました。
(牛尾清彦通信員)
氷点下の街頭で
青森・むつ
むつ生活と健康を守る会は300筆の目標を設けて、粘り強く署名に取り組んでいます。2月7日は雪はやんでいるものの、気温は氷点下という悪条件の下、6人が街頭に立ち、市民に協力を訴えました。40分ほどの間に34筆を集めました。
7日は防寒衣料に身をかためての署名集めでした。駐車場の金網に横断幕を結び付け、歩道脇にできた雪の山にスピーカーを載せ、足早に通り過ぎる人たちにマイクで呼び掛けました。
「こういうものをもっと宣伝しなくちゃ」「やっぱり戦争はいや」「寒いのに御苦労さま」といった激励と賛同の声が寄せられました。
(菊池嘉任通信員)
(2016年3月6日号「守る新聞」) |