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みんなで手を寄せ合って 終活、静かに拡大中 必ず来る日のために

 人には必ず死が訪れます。人生の最期を迎えるに当たってはさまざまな準備が必要で、死去後にはいつまでも続く供養が不可欠です。生活と健康を守る会でも「終活」が話題になっています。そこには世間一般の事柄だけでなく、仲間同士のつながりを大事にする、組織ならではのものがあります。(番匠 寛記者)

いつまでも仲間と一緒

共同墓所

 生活と健康を守る会ならではの特徴的な取り組みは共同墓所。「お墓がない。何とかならないか」という切実な声をもとに始まり、各地に広がっています。ここに眠る故人は、いつまでも仲間たちと一緒で、供養は絶えることはありません。
 共同墓所は単組、複数の単組の合同、県連合会など運営主体はいろいろです。設置状況は都道府県別では濃淡があり、どちらかと言えば地方は少ないようです。目立つのは費用や立地など霊園事情が厳しい東京です。希望者多数で一基では足りなくなり、増やしたところもあります。
 お墓に悩んでいる人は大勢います。それは会員だけではありません。共同墓所のことを知り、それをきっかけに入会。そんなケースが少なくありません。
 共同墓所は建立し、納骨を済ませばそれでおしまいではありません。春と秋には墓参が行われ、遺族や会員が故人をしのびます。
 2006年8月に建立された広島の共同墓所(府中町・久蔵寺)は、広島県生活と健康を守る会連合会が運営・管理しています。3月6日の春の合同墓参会には50人が参列しました。新たに5人が納骨され、埋葬者は106人になりました。
 住職は法話で、「生活と健康を守る会の考えと仏法の教えには、相通ずるものがある」と話しました。

エンディングに備えて

学習会開催

 会員と家族が万が一の時のために―。共同墓所運動の先駆けの1つ、東京の品川生活と健康を守る会では、葬儀のことを知りたいとの要求が数多く寄せられ、学習会活動が進んでいます。
 「『終活』という言葉がさわがれるようになるかなり前からの」(坂口忠男事務局長)取り組みです。今年も坂口さんを講師に、3月までに4回(班別もしくは複数班合同)行われました。
 会員の年齢構成を反映してか、各班の班会ではまず体調と葬儀のことが話題になります。必然的に要求にもとづいて学習会開催となりました。その雰囲気は重苦しいものではなく、和気あいあいです。参加者は一様に喜んだ表情で、会場を後にするそうです。
 学習会は、現状はテーマが葬儀ですが、終活の中身はそれだけにとどまりません。相続や遺言など多岐にわたります。今後は要求があれば、それらにも手を広げます。テーマ拡大にあたっては、場合によっては講師に専門家を招きます。
 学習だけでなく葬儀の面倒をみてほしいという会員も少なくありません。それにも親身に対応しています。

品川の葬儀学習・7つのテーマ

○家族が死亡、まずどこに連絡するか
○病院と提携している葬儀社は使ってはいけない
ネットで決めるのもやめたい
○直葬・家族葬から一般葬まで〜葬儀の形式
○火葬だけでも30万円! でも「死」の費用は葬儀だけではない
○私のエンディングメモ
○身寄りのない人の葬儀はどうするか
○会員の最期を送る班の助け合い活動を広げるために

昨今葬儀事情 シンプルでコンパクトに

 人生最期の儀式、葬儀のあり方が多様化しています。大勢の会葬者が集まる従来型に加えて、会葬者の幅はいろいろですが、こぢんまりとした家族葬が増えています。また、火葬だけの直葬や、宗教儀礼を伴わない無宗教型も珍しくありません。
 葬儀多様化の背景には遺族や故人の考えだけでなく、地域社会の変化があります。地域共同体が全面的に協力。これがかつての葬儀の一般的なスタイルでした。しかし、都会だけでなく、地方でも人間関係の希薄化が言われる中では、以前からの形は維持できません。地域の協力は得るものの、葬儀業者請負型へと移行し、新しいスタイルも、と徐々に変化しています。
 変化は遺族サイドだけではありません。葬儀業者も対応は不可欠。新しい提案を打ち出しています。最近、話題になっている「お坊さん便」は、ネット通販大手アマゾンジャパンが行う、葬儀の読経や法要に僧侶を定額で全国どこへでも手配するというもの。利用者はネットを通してチケットを購入します。賛否両論がありますが、仏教界の一部からは「お布施への不信感が背景にはある」といった声も聞かれます。
 費用への不安に対しては、分かりやすくシンプルな定額プランを提案している業者もあります。流通大手のイオンも参入しています。

(2016年4月17日号「守る新聞」)

 
   
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