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〈新潟県生連〉県交渉で要求 法律違反! 差し押さえた年金 全額返還 県が再発防止通知

 新潟県生活と健康を守る会連合会は、住民税などの滞納を理由に預金口座に振り込まれた年金を差し押さえられた阿賀町の大堀ミヨイさん(77)について、県地方税徴収機構や阿賀町と交渉し滞納処分の誤りを認めさせ返還させるとともに、県交渉で各市町村への周知を約束させ、3月31日県の通知が出されました。(吉田松雄通信員)

 「3月18日に差し押さえられた年金が全額返還されました」と喜ぶ大堀さん。夫から引き継いだタクシー業の経営が不振に陥り、住民税、固定資産税を滞納。延滞金と合わせて48万9831円の一括支払いを求められていました。
 2月15日、大堀さんの預金口座に年金が振り込まれた直後、わずかな残額と年金の全額16万7883円が差し押さえられ、大堀さんは食料品すら買えなくなり、食事もできない状態に陥りました。
 東京の知人に救いを求めると、知人は荒川生活と健康を守る会の会員で、すぐ丸山秀子事務局長に相談。新潟県生連にSOSが飛びました。
 県生連直属の阿賀町班役員・入倉政盛さんに県生連から依頼が行き、入倉さんはすぐ食料を持ち大堀さんを訪ね、事情を聞きました。そして、国民の生存権を保障した憲法25条と公的年金に関する法律で、年金などは生活維持のために一定の範囲の差し押さえは禁じられているにも関わらず、差し押さえられた事実を確認しました。

鳥取裁判広島高裁判決と国税徴収法を根拠に追及

 2月29日、新潟県生連の渡辺和子会長、吉田松雄事務局長と大堀さん、入倉さんは県地方税徴収機構を訪れました。大堀さんの「年金を差し押さえられ、食べ物も買えなくなり困っている」という訴えにも、同機構は「年金は預金口座に振り込まれたことによって、預金債権という一般財産に転嫁し、差し押さえ禁止制限が解かれる」と弁明しました。
 これに対し吉田事務局長は、次の2点をあげて反論しました。
 (1)2014年11月27日の鳥取児童手当差し押さえ事件の広島高裁判決は、児童手当(などの社会保障給付)は預金口座に振り込まれた後も法律で規定された性格を保持し、口座残金が手当であるか否かは口座の動きで確認できるので、差し押さえは違法としている。
 (2)国税徴収法は、滞納者の「最低生活の維持、生業の維持、精神生活の安定の保障、社会保障制度の維持等種々の理由」から生活に欠かせない衣服、家具、寝具、台所用具および3か月間の食糧や燃料などの差し押さえを禁じている。
 「だから、この差し押さえは明確な法律違反。直ちに全額返還を」と迫ると、同機構は誤りを認め阿賀町へ連絡することを約束しました。
 新潟県生連は阿賀町にも申し入れを行い、滞納処分の誤りを認めさせました。

違法な差し押さえ件数と事後処理状況につき調査

 3月18日、渡辺会長、吉田事務局長ら13人が新潟県に再発防止策をとるよう申し入れました。県は各市町村に周知を図ることを約束しました。
 交渉の中で違法・不当な差し押さえが他にもあることが明らかになり、「差し押さえ件数および金額を調査し、その是正を文書で市町村へ通知すること」も追加で要望しました。
 新潟県は3月31日、「広島高裁判決の判例に基づき、全額差押禁止債権が原資となっている預貯金の差し押さえに当たっては十分留意するように」と通知を出しました。
 また、2015年4月1日から16年3月31日までに差し押さえた案件で、「(1)差押禁止債権の振込口座と認識でき、(2)振り込まれた当日に差し押さえをし、(3)全額または残高原資のほとんどが差押禁止債権であったもの」に該当する場合は、該当案件数と事後処理状況を記す調査票の提出も、市町村に要請しました。

(2016年4月24日号「守る新聞」)

 
   
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