沖縄・那覇市の奥武山(おうのやま)公園で6月19日、米軍属による女性暴行殺害事件に抗議する「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会」(主催・「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」)が開かれ、約6万5000人(主催者発表)が集まりました。参加した沖縄・豊見城(とみぐすく)生活と健康を守る会の照屋つぎ子さん(68)が、沖縄県民の思いを寄せてくれました。
6月19日、沖縄の夏の太陽は肌を焼き尽くすほど、その厳しい暑さの中、会場は瞬く間に埋め尽くされていきました。「あの女性の痛み、苦しみ、くやしさ、屈辱感を思えば、この暑さなど我慢できる」、みんながそんな思いだったでしょう。
基地被害者の遺族の一人でもある古謝(こじゃ)美佐子さんの「童神(わらびがみ)」の歌が始まると、会場からはすすり泣きが…。全員で黙とうをささげました。
怒りは限界を超えた
平和な沖縄取り戻す
被害者の父親からのメッセージ―「次の被害者を出さないためにも、全基地撤去、辺野古の新基地建設反対を。県民が一つになれば可能だ」。心底から娘の成仏を祈りつつ、沖縄の人権も民主主義も踏みにじる社会のゆがみを正すべく呼びかけた叫びは、重く感じられました。
オール沖縄会議共同代表の若い女性は、「第2の加害者はあなただ」と日米政府を糾弾。「もしかして被害者は私だったかも…」。同じ年代の女性として、涙ながらに訴えました。
「県民の怒りは限界を超えた。米海兵隊の撤退を求め、平和な沖縄を取り戻したい」との叫びは、人々の心を一つにしました。
翁長雄志(おながたけし)知事は、「21年前の少女暴行事件のときに二度とこのような事故は繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えることができず、あなたを守れなかったことは政治家として申し訳なく思っている」と、圧力に屈せず頑張ることを改めて表明しました。
負けてはいけない
子や孫守っていこう
「ぐすーよー(みなさん)、まけてぇないびらんどー(負けてはいけません)。わったーうちなんちゅや(われわれ沖縄人の)、くゎぅまがまむてぃいちゃびらな(子や孫を守っていきましょう)。ちばらなやーさい(頑張っていきましょう)」。知事の言葉に、みんなが大きな拍手で応えました。
自民党や公明党は参加しませんでした。「県民の苦しみや怒りに背を向けていては、県民を守ることはできない」と学ぶことのない政党や政治は、もうごめんです。
悲惨な事件を二度と繰り返さないためにも、米軍基地の全面撤去、海兵隊撤退を実現するまで頑張りましょう。日本の民主主義を勝ち取る闘いのスタートです。
全国各地で連帯行動
沖縄県民大会に連帯して同日、32都道府県40か所以上で抗議行動が行われました。東京では、国会前で1万人が「命を返せ」「海兵隊は今すぐ出て行け」と繰り返し声をあげました。
(2016年7月3日号「守る新聞」) |