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第30回日本高齢者大会in東京 人間らしく生きるため手をつなごう 平和・人権を守ろう 高齢者にも優しい社会に

 「第30回日本高齢者大会in東京」が8月28、29の両日、大正大学と東京国際フォーラムで開催されました。初日は分科会・学習講座、2日目は全体会が行われ、記念講演にはジャーナリストの鳥越俊太郎氏が登壇しました。初日は、全国生活と健康を守る会連合会の安形義弘会長や東京都生活と健康を守る会連合会の亀山茂雄副会長、生存権裁判を支援する全国連絡会の井上英夫会長らがそれぞれの分科会で報告を行いました。初日は約4100人、2日目は約5000人が全国から参加しました。
(西野 武記者)

もっと制度を活用しよう

 「くらしに役立つ制度のあらまし」の分科会で、安形全生連会長は、「守る新聞」などの資料を使って、各制度の内容を分かりやすく説明しました。
 はじめに、運動で実現した白内障眼内レンズ手術の保険適用などを紹介。「生活保護は、男女で受給額が違っていた」ことや、制度を知らずに苦しんでいる事例、必要以上に負担をしている例を示し、海外の各種制度と日本の遅れた実情を明確にすると、参加者からはため息が漏れました。
 また、生活と健康を守る会が地道に制度をつくらせたり改善させたりしてきたこと、日本の制度は申請主義であり、役所の申請拒否や不当な決定には「納得できない」と審査請求をすることの大切さなどを紹介しました。
 最後に、安形会長は、自治体独自の制度を利用するためにも、広報、ガイドブックの活用を勧め、制度利用には大きな意義があることを語りました。質疑応答では、生活保護での車の保有は個人の状況で認められるケースや、住民税の自己申告の大切さ、公営住宅やUR住宅家賃の減免制度、生活保護法、後期高齢者医療制度や国保税・料の減免など多岐にわたりました。
 討論の中で、出席者から「年金、生活保護、最低賃金を一緒になって上げることが大切で、そのためには政治を変えないと」という発言がありました。

健康で文化的な最低限度の生活 明確にして運動へ

 「若者から高齢者まで最低生活保障を」の分科会では、亀山都生連副会長が、「賃金・社会保障を支える生活保護制度」〜生活保護バッシングは軍事路線と一体のもの〜をテーマに報告を行いました。生活保護の切り下げや法の改悪、バッシングが安倍内閣によって強められていることや、これが生活保護の受給者だけの問題ではなく国民生活全般に影響の出る問題であることを分かりやすく話しました。
 「生存権裁判と国連高齢者人権条約」の分科会では、年金裁判を闘う参加者が、「生活保護と年金の対立をあおる声があるが、共闘し健康で文化的な最低限度の生活とは何かを明らかにして、運動に生かすことが大事」と発言。助言者の井上・支援する会会長・金沢大学名誉教授は、「生存権裁判で勝たなければ、生活保護基準引き下げ裁判も年金裁判も勝利はない」と、お互いの状況を理解し合う必要性を強調します。
 愛媛大学の鈴木靜さんが、国連の高齢者人権条約策定の取り組みを報告しました。

(2016年9月11日号「守る新聞」)

 
   
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