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第12回いわて女性のつどいin紫波 女性の力で点を面の活動に 温かい励ましが大きな財産

 第12回いわて女性のつどい(岩手県連主催)が10月3日、紫波(しわ)町の野村胡堂(こどう)・あらえびす記念館で開催され、130人が集まりました。紫波町は、2011年3月11日の東日本大震災で大津波に襲われた大槌(おおつち)町から被災者を受け入れ、紫波生活と健康を守る会はその後も交流・支援を続けています。(小古間ゆりか記者)

 紫波町の大正琴のグループによる童謡の演奏で幕開け。澤田稔岩手県生連会長代行はあいさつの中で、今年1月に亡くなった村上充会長が「女性は台所の生活から出発するからウソをつかない。会員の7〜8割は女性。女性を頼りにしないでどうする」と“女性のつどい”を励まし続けたこと、「点の活動はできるが面の活動をしよう」と言った言葉を紹介。「今日のつどいを、面の活動をする新たな出発にしよう」と呼びかけました。

野村胡堂の生き方を知る

 熊谷泉・紫波町長が「紫波は国体の自転車競技の会場。農業の町・紫波の秋の味覚も楽しんでほしい」と来賓あいさつ。紫波生健会の細川恵一会長のあいさつと高橋和子女性部長の報告の後はお待ちかね、野村胡堂・あらえびす記念館の野村清一館長の講演「銭形平次の生みの親・野村胡堂のあらえびすな人生」です。
 野村さんは、「胡堂は名前を3つ(本名・長一(おさかず)、胡堂、あらえびす)持ち、仕事は新聞記者、作家、クラッシック音楽の評論家、野村学芸財団と、4つ持っていた」と、胡堂の人生を語ります。
 東京帝国大学をあと数か月で卒業というときに父親が過労で亡くなり、学費を滞納して除籍された胡堂は晩年、返済義務のない奨学金を創設しました。
 午後には野村館長に胡堂のレコードコレクションから4曲、クラッシックな蓄音機で聴かせていただき、音楽評論家・あらえびすにもふれ、胡堂のいろいろな顔を知りました。
 ※「あらえびす」とは、野蛮な東国人をさす言葉。

復興と支援トークで交流

 講演の後は、東日本大震災からの復興と支援の交流トーク。
 三陸沿岸・大槌町の三浦日出子さんは、盛り土が進み復興公営住宅での生活が始まった様子を語り、「私たちはすべてを無くしたが、みなさんの温かい励ましは大きな財産」と言います。
 同じく山田町の佐藤照彦さんは、漁業という生業(なりわい)が復興していない状況や、「被災者を支えてきた“お茶っこの会”が11月で250回を迎える」と報告。
 紫波町の山本章子さんは、住民も巻き込んで大根、レタス、キャベツなどを育てて被災者に届け続けていると話してくれました。
 昼食後は「明日の活力タイム」。参加者が踊りやスコップ三味線など芸達者ぶりを披露。振込詐欺など今の世相に注意を喚起する替え歌などもみんなで歌って楽しみました。
 女性部副部長の村上育子さんが、「思い出に残る“つどい”だった。いつまでもこの交流を続けていきたい」と閉会あいさつ。交流に力をもらい、それぞれの地域での明日からの生活や活動に向かって“出発”しました。

(2016年10月23日号「守る新聞」)

 
   
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