埼玉県生活と健康を守る会連合会は、第48期第1回の学習会を11月11日に開催しました。16単組から33人が参加し、全組織・全会員が税の自主申告運動を取り組むために、税運動について学びました。
(高藤登喜恵通信員)
学習会では、全生連の税方針にそって綾好文副会長が講師を務めました。
綾副会長はパワーポイントを駆使し、「大企業の内部留保は2012年に272兆円だったが、16年現在では379兆円。消費税を払わないばかりか、輸出大企業の一つ・トヨタ自動車だけで年間3兆円もの輸出還付金を受け取る。そうした企業がある8つの税務署はその還付金のため、赤字。大企業は法人税すら、ほとんど払っていない」と説明。
そして、「一方、私たち庶民の暮らしはますます厳しい状況に陥っている。埼玉県は税滞納世帯への差し押さえを強化し、この1年間で件数は5351件。どの市町村も軒並み増えているが、5倍以上差し押さえ税額を増やしたところもある」と告発しました。
税の使われ方を知る
みんなで話し合ってみよう
綾副会長は「生活保護利用者も住民税申告をしよう」と提起し、「みんなで税の使われ方を話し合うことが大事」と強調しました。
「年金収入400万円以下の人は所得税申告はいらないが、住民税申告は必要。障害年金、遺族年金だけの人も必要。全会員が何らかの形で税運動に参加するようになれば、ものすごい“会”になる」と話すと、参加者の手が次々に上がります。
「来年の申告書にマイナンバーの欄ができるが、どう構えたらいいか」「『所得税、住民税の基礎控除額をもっと引き上げろ。大企業優遇税制やめろ』の運動がもっと必要ではないか」など、質問や意見が怒(ど)涛(とう)のように出されました。マイナンバーについては、「記載は任意だから、書かなくても罰則や不利益はない」と説明がありました。
なぜ自主申告が必要か
説明会と書き込み会開いて
「税金説明会と書き込み会を分けて開催しよう」の方針に応えて、与野生健会の村上信子事務局長が発言。説明会では、「生活と健康を守る会とは」と、税の自主申告と社会保障制度の関係を話して、なぜ自主申告が必要なのかを説明しています。そして、計算ノートに家族の状況を書き込んでくる、かかった医療費を計算してくるという“宿題”を出します。「ここで質問がたくさん出ると、今年の税運動は成功するぞ! と思う」と村上さん。1週間後、書き込み会を行います。
与野では、「税サポーター」と呼ぶ実務援助者に、全会員がなろうと提起しています。そのため、第1回の書き込み会は会員向け、まずここで税計算の基礎を身につけます。税サポーターは、収入から所得を出す計算ができ、医療費控除の計算ができればOK。
会外の参加者の「税務署の相談会はまるで分からなかったが、とても分かりやすく面白かった」の声が紹介され、「毎年参加する人に必ず案内ハガキを出し、継続を大事にしている」との報告でした。
多くの単組から経験談が話されました。「チラシをまいても会員しか来なかったが、前回初めて会員・読者ふやしにつながった。この学習を生かして、仲間を増やす税運動に取り組みたい」と、今年の税運動に大きなはずみと確信を与える学習会になりました。
(2016年12月11日号「守る新聞」) |