小松島市生活と健康を守る会は、1月18日小松島市に対し、マイナンバー不記載を理由とする申請書等の受け取り拒否を改めるよう申し入れました。
給与支払い報告書
受け取り拒否され
1月16日、漁業を営む会員の島田佳代さん(仮名、74歳)がマイナンバー不記載を理由に、市から給与支払報告書の受け取りを拒否されました。
小松島市生健会は3月の税金集団申告に向け、昨年11月から税金学習会を3回開催。その中でマイナンバーについて学習をし、プライバシー侵害のおそれがあるため、マイナンバーは書かないことを確認してきました。
1月18日は、毎月第1、第3月曜に開催している「なんでも相談会」の日でした。受け取りを拒否された島田さんは相談に訪れ、「給与支払報告書を仕上げ、市役所に提出しようとして拒否された」ことを話しました。
「法の原則に反す」
係長に説明求める
早速、市に申し入れることにし、島田さんと井上博善会長ほか役員3人が参加しました。市役所からは税務課長と担当係長が出席。初めに、生健会から「給与支払報告書の受け取り拒否は、国の定めたマイナンバーの取り扱い原則から逸脱している。不記載でも受け取るのが原則だ。なぜ受け取り拒否したのか」と質問し、その経緯の説明を求めました。
担当係長は「窓口担当職員から事情を聴いた。受け取り拒否でなく、会員の方がどうするか考えるため持ち帰った」との説明。島田さんは「マイナンバー不記載では受け取れないと、担当者が言った」と反論。
その後担当係長から「行き違いがあり、迷惑をかけました。不記載の意思が確認できる場合は受理します」と謝罪がありました。
その場で給与支払報告書を提出しました。
事務増え漏えい心配
マイナンバー廃止を
2月14日から始まる確定申告のマイナンバー記載の取り扱いについても、尋ねました。「所得税に関するマイナンバーについては、市税務課(所得税申告を受け付ける市の窓口)では確認しないよう税務署から指示されている」「住民税については、マイナンバー記載の場合、証明するものの提示を求める。不記載の場合は、『来年の申告では記載するよう』指導する」との説明がありました。
最後に井上会長は、「マイナンバー制度により事業所は事務が増えている。国民はマイナンバー漏(ろう)えいによるプライバシー侵害を心配している。マイナンバー制度は廃止すべきである」と述べました。
集団申告呼びかけ
「何でも相談会」計画
小松島生健会が単位組織に独立して1年3か月。今年の税金自主申告が初めての本格的な取り組みです。講師養成、説明資料作成で県連からの支援を得て、税金運動をすすめています。
3月13日の集団申告まで、あと3回「なんでも相談会」を計画しています。相談会の案内ビラに今回のことを載せ、「マイナンバー対策なら生健会の集団申告で」を大いに広め、仲間ふやしにつなげたいと井上会長は話しています。(天羽(あもう) 篤さん)
法律では強制していない
マイナンバー法(行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)
第14条 個人番号利用事務等実施者は(中略)本人または他の個人番号利用事務実施者に対し番号の利用を求めることができる
と、「できる」規定になっており、強制ではありません。
(2017年2月5日号「守る新聞」) |