家から一歩敷居を跨げば、そこには危険がいっぱいです。十分注意していても、思ってもみない事故に遭い、したくもない痛い思いをしてしまうことがあります。事故の要因の一つには、道路や構造物などの老朽化・経年劣化があります。即補修が必要なのにそのまま放置され、それが人身事故につながるケースが後を絶ちません。命が守られる安心・安全な街づくりは不可欠です。各地で生活と健康を守る会が、地域住民の先頭に立って奮闘しています。行政に数々の要求を突き付け、補修・改善を勝ち取っています。山口と埼玉の取り組みを紹介します。
行政と交渉継続
山口県
山口県生活と健康を守る会連合会は毎年、7月と11月に県交渉を実施し、県内各地の単組もいろいろな取り組みを行っています。
下関生活と健康を守る会は年2回の市交渉を行うために「私の要求」を出し合い、市に実現を求めています。昨年度は2件の要求実現を勝ち取りました。
1件目は2015年冬の交渉で要求した事項です。県が所管する下関市彦島にある港湾道路歩道のフェンスは塩害による腐食が著しく、地元のひまわり班の会員が改善を求めました。市は要求書提出直後にとりあえず縄で補修しました。その後「年度末までに一部のみ新しくしていた」との報告を会員から受けました。
一部改修を受けて、改めて16年夏の交渉で、全面改修要求を出しました。願いはかない、16年度末には約1キロに及ぶフェンスの全面改修が実現しました。「安心して散歩ができる」との喜びの声が届きました。
2件目は、下関市の市街地で「県が管轄するカラーブロック埋め込みの歩道において、車が出入りする所のブロックが浮いて歩行者が足を取られそうな個所が多数あり、カラー舗装などで補修をすること」と挙げていた16年夏の要求です。全面改修とはなりませんでしたが、一部の改修が実現しました。
下関では定例交渉に臨むにあたっては、意識的に班会などで「私の要求」を出し合っています。バス停留所の改善や生活道路の整備など、地域の要求を積極的に取り上げて、これまでにかなりの件数の改善を実現させています。
特に神田班では、班会でわいわいとおしゃべりをする中で、地域の危険箇所などをみんなで確認し合っています。また、各種制度の改善要求など、思いのたけを「市長へのはがき」に書き込む班会も開いています。
様々な要求を市や県との交渉で出し続けています。解決するには時間を要するものもありますが、諦めることなく取り組みを進めてています。
山口県生連の今年の夏の県交渉は7月26日。それに向けて、各単組に要求の結集を訴えています。
(村田悦子通信員)
優しい跨線橋を
埼玉・蕨
JR東北線で東西が分断されている埼玉県蕨(わらび)市。東西を行き来するためには、線路を横断しなくてはいけませんが、危険な跨(こ)線(せん)橋があることがわかりました。事態を重視した蕨市生活と健康を守る会は近々、市に改修を求める要望書を提出します。
バイクと自転車、歩行者が利用できる塚越跨線橋。そこで自転車に乗った主婦が転倒、顔面を強打し、骨折を負いました。地域住民に聞いたところ、「継ぎ目に段差がある。ガタンガタンと音がするだけでなく危ない」ことが分かりました。過去には死亡事故も起きたそうです。
こんな危険個所は一刻も放置できません。頼高英雄市長宛てに早急に段差を解消し、カーブミラー設置などの安全対策を講じるよう要望書提出の運びとなりました。
(浅名勝次通信員)
(2017年6月25日号「守る新聞」) |