生きている以上、避けて通ることができず、いつか必ずやってくる死。その日を前に、人生の終わりに向けての前向きな準備「終活」が、静かなブームになっています。それは生活と健康を守る会でも例外ではありません。各地で会員から声が上がり、さまざまな試みがなされています。取り組みの中にはついのすみか、共同墓所もあります。そこでは仲間たちによる、故人への手厚い供養が続いています。
セミナーを初企画
東京 足立
足立生活と健康を守る会は10月26日、「お葬式・仏事セミナー」を開きました。会員の要望に応えての初企画で、33人が参加しました。講師はプロ、葬祭会社の社長です。多様化する葬式事情やエンディングノートなどについて詳しい話がありました。
葬式や納骨、改葬などについて、会員の多くは疑問をいっぱい持っています。これまでは一体誰に聞けばいいのか分からなかっただけに、いろいろな質問が飛び交いました。そのいくつかを紹介します。
Q=「病院で死亡した場合、病院が提携している葬祭会社に頼まなければならないのか」。A=「そんなことはない。遺族は自由に選ぶことができる」
Q=「葬祭互助会に入っているが、途中で解約することは可能か」。A=「可能だが、手数料がかかり、これまでの掛け金も全額は戻ってこないだろう」
講師からは、「日頃から家族、いない場合は班の仲間や友人、知人と、亡くなった際にはこのようにしてほしいとよく話し合っておくこと。そして、エンディングノートに自分の意思を書いておくこと」というアドバイスがありました。
参加者は、「とにかく分からないことは葬祭会社や寺などに質問し、疑問を解消することが大事」と痛感した様子でした。
(阿久津 豊通信員)
班会で話題集中
福岡 小倉
大勢が参加し、交流を深め合う小倉生活と健康を守る会の合同班会(3か月に1回ペースで開催)。10月7日の集まりでは、話題は終活に集中しました。
これまでに特に具体的な取り組みを行ったことはなく、この日も事前に準備していたわけではない終活です。しかし、自然の流れでテーマの中心になりました。きっかけは生活保護の一時扶助でした。高齢者が多いせいか、そこから葬儀費用の話になり、発展していった次第です。
「生活保護の葬祭費20万6000円で、どんな葬式ができるのか」「僧侶を呼ぶことはできるのか」「家族がいない場合、喪主はどうしたらいいのか」「葬儀場はどこが安いのか」―。とにかくみなさん疑問だらけ。次から次と質問や意見が飛び出し、とても盛り上がりました。
(八記博春さん)
墓前祭で仲間しのぶ
神奈川 鶴見
秋にしてはかなり暖かく、汗ばむほどに気温が上がり、晴天にも恵まれた10月9日、鶴見生活と健康を守る会の共同墓所墓前祭が執り行われました。今年は3体を納骨。35人が参列し、故人を供養しました。
鮮やかに色づいたカキが実る道をたどり共同墓所へ。故人の家族、友人らが集まり、しめやかな中ににぎやかさも感じる墓前祭でした。秋とは思えぬ気候の下、読経する僧侶の首筋には汗が流れていました。
焼香後は休憩所で昼食。弁当や差し入れのおにぎり、煮物などを食べながら楽しく交流しました。年に1度の行事とあって、1年ぶりの顔合わせも少なくありません。久々の再会をなつかしがり、話が弾んだひとときでした。(金山和子さん)
(2017年11月26日号「守る新聞」) |