新入学おめでとう
“早く学校へ行きたいな”
札幌市北区 一条堅心君、絵梨子さん
4月。小・中学校の入学や高校・大学への進学の季節です。札幌市では、就学援助の入学準備金が、中学校は昨年から、小学校は来年から入学前支給になる成果の中で、北区の一条堅心君は小学校に入学します。
札幌市北区に住む一条堅心(いちじょうけんしん)君。一条絵梨子(えりこ)さん(41)の次男で、4月から特別支援学級に通います。自宅からは路線バスに乗って5分の距離。一人で乗ることに慣れるために絵梨子さんが付き添います。制服が届いた日、堅心君は懸命になって一人で着てニッコリ。
軽度の障害が
絵梨子さんは、昨年10月から生活保護を受給しました。夫と別居し、実家近くにアパートを借りて堅心君と2人で住むことにしました。絵梨子さんは、長くメンタルの病気を患っています。
夫が生活費を入れないため、ヘルパー2級などの資格をとりながらアルバイトして、長男と長女を育てました。夫が単身赴任していましたが、堅心君が3歳になった時に「父親のことがわかる年ごろになり寂しがるのでは」と夫のいる茨城県に転居しました。「言葉が聞き取れない、歩き始めたのが遅い」ことに気づき、軽度の障害が発見されました。
おだやかに
昨年7月に夫と別居し札幌に転居、すぐ専門病院で検査を受けたところ、同じ診断がされ、さっそく児童デイサービスに通いはじめました。そこでの生活で堅心君が、すっかり変わり、一方的にしゃべるとか、自分に気に食わないことを言われたら布団にくるまってしまう行動から、おだやかな立ち振る舞いになり、毎日楽しく通いました。
このデイサービスの勧めもあって、特別支援学級にすすむことを決めました。一日入学で堅心君は、知らない大人や子どもたちに会っても驚きません。絵梨子さんは、「1年生になることで、少しお兄ちゃんになったと感じている」ようで、「お兄ちゃんになったから、水は自分で飲みましょうというと、ハイと返事するようになった」と語っています。
成長がうれしい
制服を着て背中にリュックサック姿の堅心君は「バスにも乗れるから大丈夫。行くのが楽しみ。学校にはたくさんのおもちゃがあった。先生もやさしかった。早く行きたいな」と、目を真ん丸にして言っていました。
「これから持ち物一つひとつに名前を書かなければ」と喜ぶ絵梨子さんは「小学校に行くことで世界が広がるはず。どれだけ成長するかと思うと、本当に苦労してきてよかった」と語っています。(対馬敏明通信員)
大学進学
給付型奨学金が実現
「さらに改善を」と新潟県生連
米山隆一県政が誕生してから1年半。柏崎刈羽原発問題、暮らしと医療、教育施策が着実に前進しています。
4月から新潟県独自の大学生向けの給付型奨学金制度がスタートしました。米山知事は、県議会で「経済的な理由により大学への進学を断念することがないように」と制度の趣旨を述べました。
給付月額は私立で自宅3万円・自宅外4万円、公立は自宅2万円・自宅外3万円です。住民税非課税世帯が対象で、約300人の利用を予定。
新潟県生連は、これまで制度創設を求めてきました。米山知事にも知事就任直後に懇談、昨年4月には署名を手渡しました。
県生連では、相談を寄せた父母に「経済的に大変でも頑張れば進学できる」と激励しています。所得制限や成績要件の緩和などの改善を求めていきます。(吉田松雄通信員)
(2018年4月8日号「守る新聞」) |