第14回
いわて女性のつどい
岩手県生連
本格復興はこれから
岩手県生活と健康を守る会連合会女性部(高橋和子部長)は10月17日、花巻市交流会館で「第14回いわて女性のつどいin花巻」を開催。県内各地から86人が集まりました。澤田稔(みのる)岩手県連会長のあいさつから始まり、午前の「学び」と午後の「交流」を通じ、有意義なひとときを過ごしました。
参加団体からは素敵な出し物を
澤田会長のあいさつに続き、来賓の上田東一(うえだとういち)花巻市長のあいさつを健康福祉部長が代読しました。花巻市には第9回の「つどい」でもお世話になりました。会場は元花巻空港ビルだった所ですが、被災地支援には無料で貸すということでした。
花巻市にはまだ生健会はありませんが、第9回時に照井明子(てるいめいこ)市議の支援で、新日本婦人の会や全日本農民組合連合会(農民連)女性部、障害福祉サービス事業所「こぶし苑」のパン工房、そして市長へと連絡してもらい、参加をお願いしました。その時のつながりをもとに、今回はより深く連携でき、支援してもらいました。
こぶし苑のパンと喫茶は人気で、場を盛り上げてくれました。
新日本婦人の会は、より参加者を広げ、朗読子組の6人が宮沢賢治の『やまなし』を朗読して、当「つどい」に新鮮さを与えてくれました。
農民連女性部は、前回は被災地へ農作物の支援をしてくれましたが、その後、毎回参加し、昼食に芋の子汁を提供してくれています。今回は汁に餅が入っていて、ほっこりとした味で喜ばれました。
「『種子法』廃止」で参加者からため息
今回の「学び」のテーマは「食」です。
記念講演で、岩手食・農・地域を守る県民ネットワークの萩原武雄会長は、このように指摘しました。
「政府は財界の意向に従い、農業への企業参入を押し進めています。その一つが『種子法』の廃止。2018年4月に、コメ、オオムギ、コムギ、ダイズをはじめ289種の、これまで都道府県の研究機関が築き上げてきた知見が、民間企業に解放されました。種苗(しゅびょう)会社の種子だけになると、在来種の種をつくる農家が減少し、日本の農業文化が無くなる」
その後、参加者から「産直(産地直売)に出している農家のほとんどが自分で種をとって育て他の農家にも分けているが、これは違反になるのか?」との質問に対し、「自家消費のみなら違反になりませんが、売り買いをすると違反になります」との回答に、会場から「そんなー。ひどい」の声が飛び交いました。
各地からの話にさまざまな思い
午後の「交流」では、子どもの貧困と合わせ「こども食堂」の取り組みを、矢巾町(やはばちょう)の高野美恵子さんに話してもらいました。今後も追求したいテーマです。
日本母親大会については、滝沢生健会の斉藤桃江さんにお願いし、報告してもらいました。
今年の沿岸からのうれしい報告は、大槌町(おおつちちょう)の生健会の中心メンバーの二人が結婚し、中村夫妻になったとの話でした。みんなの喜びでもあり、二人には当「つどい」としても、さらに期待しています。
そして毎年、復興の様子を山田町の佐藤照彦さんから報告してもらうのですが、今年も多忙と体がきつい中、来てもらいました。変わらないのは遅々とした復興と、人口減少と、漁民の生活のために取り組んでいるサケ漁への闘いの厳しさです。県との裁判は、仙台高裁へと場を移しての事態となっているということです。最後は「自分も1年ごとに年を重ねているので…」と結ばれましたが、今後も、また沿岸からの暮らしの状況を話してもらいたいと願っています。
佐藤さんが持参した海産物は、他のバザーと一緒に多くの会員、参加者の手に受け渡されました。
最後は歌と踊りで気分が高揚し、来年にまた会おうとあいさつが交わされました。
(高橋和子さん・川口義治通信員)
(2018年11月4日号「守る新聞」) |