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文化活動が低い、あるべき姿見えてきた

「健康で文化的な生活」全国調査 中間報告会

 2017年4月から全国生活と健康を守る会連合会(全生連)と全日本民主医療機関連合会(民医連)の会員を対象に、憲法25条がうたう生存権の保障の実態を問う「『健康で文化的な生活』全国調査」が行われました。その中間報告会が3月20日、東京都内で行われました。報告会には全生連12都府県、中央社会保障推進協議会などから参加者54人が集まりました。(齊藤 豊記者)

 生活保護基準は、年金・最低賃金などさまざまな制度を定める際の目安でもあり、生活保護基準の引き下げは、ひいては全国民の生活水準の引き下げを意味します。
 国民を分断しようとする圧力に対抗し、国や社会に生活保護基準の重要性を図る明確な尺度を示すことが社会保障を守る運動の課題です。
 全生連と民医連は、「最低限の生活」の基準を国民生活の実態をもとに明らかにし、社会保障を守る運動につなげていくことの重要性を共有し、共同で調査に取り組むこととしました。この実態調査は研究者の協力のもとに取り組みました。

5000人を訪問

 報告会の冒頭、吉田松雄全生連副会長は、「生活保護の捕捉率の低さも示すように、現在日本には1000万人以上の貧困層がいる。政府の新自由主義的な政策がそれに拍車をかけている。この調査を真に健康で文化的な生活を実現するための今後の闘いに活かしていきたい」とあいさつしました。
 今回の報告会では、2018年に全生連の会員から無作為抽出した5025人へ、訪問調査から紙面回答をもらった結果が報告されました。有効回収数は3416件、同回収率は68・0%でした。

三つの視点が重要

 報告は、委員会メンバーから明治学院大学名誉教授の河合克義さん、洗足こども短期大学講師の板倉香子(こうこ)さんにより行われました。
 河合さんは、(1)生活保護基準(国民の生活保障)(2)健康な生活(3)文化的な生活、の三つの視点の重要性を指摘しました。また自身も訪れ調査したフランスにおける貧困問題や高齢化社会への対応と比較し、「日本の貧困層には文化的な(活動ができる)要素が低い。日本の制度は社会保障とは言えない」と、現状を批判しました。
 続いて板倉さんから具体的な調査結果の報告がありました。調査項目は、「調査年齢」「居住地域」「住宅種類」「家族構成」「住まいを失う心配の有無」「健康状態」「病院への受診状況」「経済状況の意識」「経済的困難の経験」「医療費への不安」「年間収入」「主な収入源」「食生活への満足度」「家電・通信機器の購入」「旅行頻度」「休日の過ごし方」「近所づきあいの有無」「地域活動」「文化施設の有無・利用」「生活意識(充実感)」など。
 主な結果として、健康状態に関する問いでは、「良い」「まあ良い」が合計で15・3%、「あまり良くない」「良くない」が合計50・3%でした。経済状態が「苦しい」と感じる人は62・3%、昨年に比べそれが「苦しくなった」と感じる人は55・5%でした。
 「生活が充実している」と感じる人は約3割で、同年の内閣府世論調査の結果7割強とは大きく異なり、板倉さんはこの違いを追求していきたいと述べました。

調査結果を受けて

 結果報告の後、再度河合さんから、「今回のデータは素晴らしいものだった」「これから二次調査を予定している。それをきちんとまとめ、公表できるようにしていきたい」と話がありました。
 最後に、前田美津恵全生連副会長は、「二次調査の前に、今回の報告の資料を今後どのように私たちの運動に活かしていくか検討していく。昨今の子どもに関する問題の根源にも、今回の調査で浮き彫りになってきた貧困問題があると思う。そういったことのためにも、今日の報告を活かし頑張っていこう」と締めくくりました。
 報告会後の参加者からの感想では、「あまり調査の意義を分かっていないままだったが、低所得者の生活実態や日本の一人暮らしの人の文化活動が低いことなどが知れた。住居や所得などによる差や、男女差の統計などが分かり、考えていかなければいけないと思った」(深海奈々子さん・東京都台東区)、「なかなかあるべき姿というのが見えていなかったが、今回の調査で見えてきたような気がする。本当の『健康で文化的な生活』を見える形にしてもらいたい。示すことができると思えた」(戸栗多恵子さん・横浜市瀬谷区)などの声がありました。

(2019年4月7日号「守る新聞」)

 
   
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