天下の愚策に喝
消費税10%諦めなさい
各地で反対運動
生活と健康を守る会も鋭意奮闘
店に並ぶ、例えば税抜き価格100円の缶コーヒーなら、消費税は8円。買い手が大金持ちでも、貧乏人でも同額です。一見、平等にも見えますが、事実は真逆。低所得者ほど負担大です。弱者ほど身にしみるこの税金を、安倍政権は10%に引き上げようとしています。無駄遣いを続けながらそれは改めず、取れるところからは容赦なくは、あまりにご無体。中身も矛盾だらけの消費税10%は、諦めてもらうしかありません。(番匠 寛記者)
強行しなければ経済政策「アベノミクス」の破綻を認めることになるだけに、政府はまさになりふり構わぬ状態。負担軽減・救済策と称して、決して少なくはない予算を投入しての、食えない「あめ」を準備しています。
「愚策」と指摘する専門家が少なくないのがポイント還元です。電子マネーやクレジットカードなどを使って中小店舗で買い物をすると、額の数%が期間限定でポイント付与されます。それ自体にはけちはつけませんが、還元率が店舗によって異なり、いくつかが混在するなど、中身が複雑です。店側はシステムを整備しなくてはならず、その費用も必要です。そうでなくても売上減に悩む個人商店にとっては、厄介な代物です。
また、消費者には関係のないことですが、業者間取引も還元の対象です。制度を悪用し、複数の業者間で転売を繰り返せば、ポイントを稼ぐことができます。悪徳業者の不正の温床になりかねません。
署名運動に手応え
市民から熱い声援
所得が低い層ほど負担が増す消費税増税を許すわけにはいきません。反対運動は全国津々浦々に広がっています。各地の生活と健康を守る会も、直面する最重点課題の一つとして取り組みに拍車をかけています。
東京都足立区で昨年、区内の団体・個人が「10月消費税10%ストップ!ネットワーク」を結成。足立生活と健康を守る会は、会員が呼びかけ人の一人に名を連ね、主要団体の一員として宣伝・署名運動に取り組んでいます。
「安倍9条改憲NO!3000万署名」でも力を発揮した足立守る会。引き続き消費税増税反対署名でも区内を隅から隅まで駆け回っています。会員数×10の獲得目標を掲げ、乗降客が多い東武鉄道西新井駅前では、月1回(原則最終金曜日)の訴えを定例化しています。
増税は生活・家計を直撃するだけに区民の関心は高く、呼びかけると、「上がると困る」「何人の署名が集まれば中止になるのだろうか」などの声が返ってきます。「頑張ってね」と声援を送ってくれる人もいます。「ほかの署名より反応がいい」と阿久津豊事務局長。確かな手応えを感じています。
9人が参加した3月29日の西新井駅前では、1時間ほどの間に111人の協力を得ました。
月1回の街頭宣伝を続けている大阪の此花生活と健康を守る会。4月15日の取り組みでは消費税増税反対署名への協力を訴え、20人の賛同を得ました。
4人で行った、年金支給日の銀行前での宣伝。「増税を許せば、ますます買い物もできなくなってしまう。消費税10%をストップさせよう」と元気に訴えました。
自治体に請願・陳情
全国で64市町村採択
高まるばかりの消費税増税反対の声。市民の切実な願いは、地方自治体を動かしています。地域的にはばらつきが見られますが、増税中止を求める請願・陳情を採択する自治体が増えています。消費税廃止各界連絡会によると、全国で64市町村(4月6日現在)になりました。
疲弊する地域経済。要因の一つは消費不況、消費者の買い控えや外食の回数と費やす金額の節約などです。直接影響を受けるのは商店・飲食店ですが、売上が減ることによって納める税金も少なくなります。税収減は自治体にとっては大ピンチ。静観できません。
(2019年5月12日号「守る新聞」) |