いのちのとりで裁判第2回原告交流合宿
原告・支援者・弁護団一緒で喜びも倍に
6月8、9日、大阪市内で「いのちのとりで裁判全国アクション」主催による「第2回原告交流合宿」が行われ、裁判が闘われている29都道府県のうち22都道府県から原告67人、支援者、弁護団合わせて203人が参加しました。来年春には判決が出る名古屋地裁勝利へ向けて、意気高い交流になりました。(前田美津恵記者)
開会は、いのちのとりで裁判全国アクション共同代表、全国生活と健康を守る会連合会の安形義弘会長に代わり、前田美津恵副会長が宣言し始まりました。
“情勢”は有利
名古屋で来春判決
基調報告を弁護団の吉田雄大さんが行い、自動車の保有問題について特別報告を元生活保護査察指導員の奥森祥陽さんが行いました。吉田さんは、名古屋地裁で9月から10月にかけて、統計学者、生活保護基準部会の元部会長、CPI問題を追及してきた元新聞記者などと、原告6人を証人尋問する日程案を報告。
さらに基準引き下げの根拠が「物価偽装」にあることが、研究者の共同声明、国会での質問、厚生労働省、総務省への野党合同ヒアリングで分かり、国会と社会を動かしていると強調しました。
情勢は有利にあり、最初の判決が予想される名古屋地裁で勝利を勝ち取るため全国の弁護団が協力していると語りました。
その後は、各地から原告、支援者が生活実態や支援活動についてリレートーク。
トップは京都の原告、重度障害の立林巳喜男さん。介助者の協力を得てプロジェクターを使い障害者が中心メンバーの「会」の活動を紹介。続いて青森、埼玉、大阪、岡山、和歌山、神奈川、兵庫、愛知、三重、石川、福岡で1日目は終了。2日目は北海道、東京、静岡、広島、鹿児島、宮崎、熊本の代表が登壇しました。
原告が先頭に
訴えられるように
青森の原告団長・神(じん)覚(さとる)さんは「生活苦で悩んでいるときに生活と健康を守る会と出合い、生活保護を利用しました」と話し、保護費が下げられ、県に何回も審査請求しても聞く耳を持たない、黙っているわけにはいかないと原告になる決意をしたと発言しました。
大阪からは1月にNHKが生活保護利用者の小寺アイ子さんを取り上げた番組を放映後、ご本人が発言。「NHKから取材に来たいと言われたときは考えてしまったけれど、放送されたら知り合いから『テレビ見たよ』と言われた。本当にうれしかった」と笑顔いっぱいに話しました。
神奈川は原告4人が登壇、原告による寸劇「人間らしく生きる」のビデオが流されました。兵庫は「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」の横断幕を掲げ原告6人を含む15人ほどが登壇、原告団長の北風正二(せいじ)さんらが決意を語りました。
分散会では、「裁判開始前後に説明と報告集会。どんな内容がやり取りされているか分かる」(神奈川)、「生健会に入会して8年、声をかけられ軽い気持ちで原告になったが、顔を出すなんて嫌だった。けれど皆元気なので、私も訴えるようになった」(京都)。
ほかに「去年参加して良かったので今年も参加した」「支えてもらっていることを実感」「原告、支援者、弁護団が一緒で喜びが倍に」などが出されました。
最後に共同代表の弁護士の尾藤廣喜さんが「また来年も会いましょう」と閉会あいさつし終了ました。
(2019年6月23日号「守る新聞」) |