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第33回日本高齢者大会in福島

原発ゼロで長寿を喜びあえる日本へ

 第33回日本高齢者大会in福島が9月25、26日に、福島県郡山(こおりやま)市で開かれました。25日は全体会と夜の企画。26日は分科会・学習講座が行われました。また事故を起こした原子力発電所周辺を巡り、福島の現状を肌で感じる移動分科会も行われました。初日の全体会には全国から2000人が参加しました。(永久俊満記者)

見て聞いて連帯して

 全体会は、福島県うたごえ協議会と日本シニア合唱団総勢50人によるオープニング合唱「ふくしまに生きる」で幕を開けました。
 主催者あいさつを全日本年金者組合中央執行委員長の金子民夫さんが行いました。金子さんは、年金の「2000万円問題」の話から、年金の問題は若者も高齢者も共同して大論争を広げようと訴えました。また、「今回は原発事故の被害を受けた福島の現状をよく見て、聞いて、連帯して、この地から闘いを進めましょう。参加者の力で実りのある、楽しい、元気の出る大会にしましょう」と呼びかけました。
 続いて、現地福島の実行委員長、来賓のあいさつがありました。基調報告では日本高齢者憲章のバージョンアップについてなどの報告がありました。

福島の現実と原発

 全体会の記念講演は、立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の安斎育郎さんが行いました。
 記念講演では、ユーモアを交えながら、なぜ福島がこのような事態になったのかなどについて話しました。
 日本の原発の歴史は、第2次大戦後のアメリカとソ連との主導権争いのための核軍事競争の中で、日本はアメリカによる占領政策で、食糧とエネルギーを支配され、アメリカなしではやっていけない国づくりをさせられてきました。原発もアメリカ主導で造らされたもので、ビキニ水爆実験を国民が知る寸前に原発予算が国会を通ったことを話しました。
 安斎さんは1972年、日本学術会議で日本の原発政策を6項目の点検基準から落第と発表したことで、さまざまなハラスメントを受けてきました。そして、2011年3月11日の福島原発事故後から、原発反対を続けた学者の一人として福島に関わっています。
 福島の原発廃炉や除染などには50兆ないし70兆円かかるといわれていますが、福島には除染する場所が多く、実際には分かりません。山には重機が入れず、1メートル四方の除染に1日かかるので、除染することは到底できません。またセシウム137は放射能が10分の1に減るのに100年ほどかかり、放射能を減らすためにできるのは時間をかけて待つことだけです。
 「このままでは『棄民(きみん)』にされかねない被災地の復興とは何かを考え続け、現在は電気の恩恵を受けているが、この時代だけでなく未来の世代のことを考えた取り組みを政府に訴えなければなりません」。そして「福島は人類史に残る事故が起こっているということを認識してもらいたい」と話しました。

憲法輝く日本へ

 続いて、特別発言として、福島から生業(なりわい)裁判、原発事故の当事者としての原発反対運動、沖縄の現状について、3人から発言がありました。
 文化行事では、尺八奏者の橘梁盟(たちばなりょうめい)さんの演奏、尺八と琴や三味線などとのコラボ演奏を堪能しました。
 最後に、大会アピールを拍手で採択し、「みんなで築こう『憲法輝く原発ゼロの日本』『長寿をともに喜びあえる社会』」のプラカードを会場全体で掲げ、唱和しました。
 そして、第34回高齢大会開催地が長野県と発表されました。福島県から大会旗の引き継ぎが行われ、全体会は終わりました。

(2019年10月13日号「守る新聞」)

 
   
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