台風19号が追い打ち
国・県・市が協力を
千葉県生活と健康を守る会連合会
10月12日から13日にかけて襲った台風19号。「いまだかつて経験したことのない」記録的豪雨で、7県47河川で66か所の堤防が決壊する事態となり、15日現在、11県で59人が犠牲になりました。千葉県では台風15号の爪痕が残る中、千葉県生活と健康を守る会連合会の高野秀純事務局長と大網白里生健会の田口澄生事務局長が14日、大網白里市と山武(さんむ)市の状況を確認するため会員の家を訪問しました。(前田美津恵記者)
防災無線でお知らせ
蛭田さんは15号でプレハブの屋根が飛び、ブルーシートで被いましたが、19号で再び飛びひどい雨漏りに。修理を依頼しても順番が回ってこないため、近所の大工に頼むと休みの日にやってくれ、40万円の請求。「これは、新たに決まった一部損壊に支給される30万円に該当するのか」と首をかしげます。
蛭田さんは市議会議員をしています。19号による市内の停電は10月13日2100世帯、14日は1700世帯に。東京電力からのお知らせとして「おおむね16日までの復旧で作業しています」と市の防災無線で流れてきます。この防災無線を聞きたい場合は、市の防災無線の電話番号があるとのことです。
さらに蛭田さんは「電線には幹線と支線があり、支線がつながらずぽつんと停電の家がある」と説明。そして、台風15号の断水では、給水所が市役所1か所だったため、車がなければ行けない、高齢者は持てないといった問題を指摘し、改善を要請しました。
この地域で停電している廣井三治さん(87)を訪問。耳が不自由なため筆談で話す人です。雨戸も閉め真っ暗な中、犬といました。台風15号のとき屋根が飛ばされ雨水が家の中へ。部屋にも流れ込み、壁や天井に染みができています。親戚が来て漏電しないようにしていきました。
鉄骨の柱が屋根に
山武郡市生活と健康を守る会の会長、田辺博さん(79)の家へ。稲作中心の農家で、台風15号、19号連続で被害。15号のときは直撃2日前に稲を刈り終えて助かりました。しかし、19号でブルーシートも飛ばされ、2階ベランダの屋根が飛び、アルミの鉄骨4本が屋根に突き刺さり、そこから雨が流入。13日に息子たちがシートを張り直しました。
組み立て式の物置が15号で倒れ、起こしたのに、また19号で転倒しました。
田辺さんは、「り災証明をもらいに市役所へ行くと、『屋根の様子の写真を4、5枚持ってこい』と言われたが、年寄りには屋根の写真は撮れない。市がドローンを飛ばして空から見てほしい。災害ゴミが畑にあり、折れた枝などを燃やした人が消防と警察から注意を受けたが、どうにかしてほしい。市はせめてブルーシートを張る業者を紹介してほしい」と。
そして、「戦後、いくつもの台風を経験しているが、こんな風の強さは初めて。テレビで台風について大げさなことを言っているなと思っていたが、実際に大変だった。国・県・市が協力してほしい」と続けました。
千葉県生連は10月9日に災害問題で全生連とともに厚生労働省などと交渉しました。高野事務局長は「引き続き会員の状況と要求を聞き、市や県に要求していく」と語っています。
(2019年10月27日号「守る新聞」) |