全生連
経験学び次のステップへ
税運動・組織拡大で交流会
10月16、17日に都内であった全国生活と健康を守る会連合会の「税運動・組織拡大交流会」。全国から延べ146人が参加し、要求運動の中で大きく位置づけられる税金の自主申告と、それを通しての組織拡大などについて意見交換しました。参加者は先進事例や勝ち取ってきた成果、悩みなどを語り合い、情報を共有。貴重な糧を持ち帰り、次のステップに臨みます。(番匠 寛記者)
あらゆる制度の基本
確固たる運動不可欠
「公的年金などの収入合計が400万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要」との国税庁のアナウンスを受け、「わざわざ税務署に出向く手間が省けて助かる」と喜んでいる人は少なくないようです。
でも申告しなかったため、国民健康保険税(料)の法定減額がされないことがあります。その結果生じるのが、重い負担です。税申告を権利として行使しようと、全生連は税運動に並々ならぬ力を注ぎ、仲間ふやしにもつなげています。取り組みに弾みをつけようと交流会開催となりました。
初日は衆議院第2議員会館で開催。丸山秀子副会長の次のようなあいさつで幕を開けました。
「税金はあらゆる制度の基本となっているだけに、しっかりとした運動が欠かせないが、進んでいるところもあれば、悩んでいるところもあるのが現状だ。この交流会でいろいろと学び合い、得たものをこれからの各地域での取り組みに生かしてほしい」。
討議に移り、まず西野武事務局長が2020年税方針を説明。「税申告運動を広げよう」と呼びかけました。また、内野雄二副会長は税制改正の問題点などを、全大阪生活と健康を守る会連合会の吉川均常任幹事は地元、八尾の取り組み状況などを、それぞれ分かりやすく話しました。
続いて、福島、徳島、静岡の各県生連からの発言がありました。
悩みと課題も次々と
オープンに話し合う
会場を都内のホテルに移した2日目は、埼玉県生連からの組織拡大の報告に続き、参加者からの発言がありました。
税運動の現状は、取り組みに濃淡が見られます。多くの先進事例が生まれている一方で、悩みを抱えている組織も少なくありません。「なかなかうまく進まない」との実情もリアルに語られました。
「税運動は会員サービスに終わりがちで難しい。拡大に貢献しているのは都営住宅の相談」(東京)、「民主商工会などと一緒にやっているが、季節的に冬の運動となるので、交通機関が乱れ、なかなか人が集まらない。どうしても消極的になってしまう」(青森)、「毎年、説明会を開いているが、やって来るのは同じ顔触ればかり」(愛知)―。
先進事例の一方で、悩みも次々と飛び出し、今後の課題が明確になりました。
忌憚なく話し合った交流会。三浦誠一副会長の「このような集まりは初めてだと思うが、中身の濃い2日間だった」とのあいさつで閉会しました。
◇
事務局長ら3人からの報告は2面に掲載。4県生連からの発言は、11月10日号掲載の予定です。
困難乗り越え会場へ 台風被災地からも参加
交流会開催前、台風15号と19号が各地に大きな被害をもたらしました。会場には、懸命の復旧作業が日夜続く被災地から何とか時間をやりくりして駆け付けた、何人かの姿がありました。
「千葉市以南では、屋根を飛ばされたり、全壊もしくは半壊の家屋が多数あり、停電や断水も起こっている」と千葉県生活と健康を守る会連合会の大橋廣志会長。この間、自治体への申し入れや政府交渉などを、勢力的に取り組んでいます。
長野県生活と健康を守る会連合会の金井忠一会長は「まだ被害の全容が分かっていない」と洪水の模様を話しました。困難な状況下での参加でしたが、「目からうろこが落ち、来て本当に良かった。税運動の素晴らしさを持ち帰って論議する」と今後の展望をつかんだ様子でした。
(2019年11月3日号「守る新聞」) |