新型コロナウイルス
止まらない感染拡大と進まない対策
暮らしへの影響が拡大
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。感染の影響は地域経済にも及び、飲食店などでは客足が激減、経営や労働者への影響も出始めています。公立の小・中・高等学校は臨時休校となり、生徒とその親も休校の対応に追われています。岡山生活と健康を守る会と新潟生活と健康を守る会に、新型コロナによる影響の実態を聞きました。
岡 山
休校で家庭の負担増
多い宿題と家事で不満つのる
岡山市は、2月27日に3月2日からの臨時休校を決めました。
大量の宿題
子どもたちは、28日に学校にある道具を全て家に持って帰ることになり、小さな体で大きな荷物を持ち帰りました。今までなら、何日かに分けての持ち帰りでした。
岡山市東区の尾越勇紀さんの家でも、小3清成(きよなり)さん、小2の夏恋(かれん)さんが休みになりました。二人は、学校が休みになり「ラッキー」と初めは喜んでいました。
ところが宿題の多さにびっくり。自由勉強と1年間の学習ドリルと、まだ習っていない所も宿題です。
家での悩み
お母さんの美晴さんは「友達に聞くと、分からない所は親が教えないといけないとのことでした。また、周りの人には、学校と同じ時間で勉強させている人もいると聞きました。このまま学年が上がると、どうなるのか心配しています。勉強を見てあげたいけど、1歳3か月のゆきやがいるので、見てあげることも難しいです。また毎日、朝・昼・夜の食事づくりも困ります。清成も夏恋も学校なら友達と楽しい時間を過ごしているところですが、今は家の中で、毎日『ひまだ、ひまだ』と言います。宿題もなかなか進みません。公園に行っても、誰かいたら遊ぶことができません。子どもたちの一番の不満は、友達と会えないこと、のびのびと外で遊べないことです。『早く友達と遊びたい』と叫んでいます」と話していました。
(関藤香代子通信員)
新 潟
今後の生活が不安
仕事減で支払いの心配も
新潟県でも、会員の暮らしに大きな影響が出ています。
会員などの声
訪問マッサージをしている会員は、施設から「感染が懸念されるので来ないでくれ」と言われ、売り上げは、4分の1減少しました。ホテルのマッサージに入っているが、仕事は週に二人ほどとのことでした。
鍼灸(しんきゅう)をしている会員も、年寄りが出歩かなくなったので、お客がばったり減ったとのこと。
また、法事や結婚式、コンサートがキャンセルになって、納入している八百屋、花屋、氷屋は仕入れの支払いができないなどの声が聞かれます。
会員で二つの店を掛け持ちで働いているAさんから「一つが3月に閉店、もう一つの飲食店もお客が減って、週5日で働いていましたが、今は週に2〜3日くらいしか働けません。市民税と国民健康保険の滞納が数10万円ある。昨年納付相談で約束した月々の支払いができなくなりました」との相談がありました。
最近解雇されたBさんは、20代の長男との二人暮らし。2年ほど前に精神の病気を発病し、働けなくなりました。「飲食店の仕事を見つけた。週5日8時間働けると思ったが、最初の日から午後3時で帰ってくれと言われた。これから週何日働けるかも分かりません。国保の滞納があります」と相談に来ました。
会の取り組み
新潟生活と健康を守る会では、国保、市民税の減免、徴収の猶予を求め新潟市と交渉を行います。
特に国保加入世帯は、所得200万円以下が75%を占め、新型コロナウイルスの被害を受けている非正規労働者、フリーランス、高齢世帯、母子世帯の比重が大きく、国保の減免などを強く求めることにしています。
(野沢慎一郎さん)
(2020年4月12日号「守る新聞」) |