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新潟県社協が態度一転、要件緩和へ

新潟県生連 緊急小口資金「貸し渋り」に2回交渉

 新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事ができない、客が来ない、と収入減の被害が広がっています。そんな中、コロナ対応で特例が実施されている生活福祉資金が役立っています。主に休業した人向けの緊急小口資金と主に失業した人向けの総合支援金があります。ところが新潟県では、「借りづらい」壁がありましたが、県との交渉や国の指導もあり大きく改善させることができました。

入金はまだか

貸付待つ切実な声

 緊急小口資金は、厚生労働省通知では、困窮者に早く貸し付けることを運用する地域の社会福祉協議会(社協)に求めています。しかし、新潟県社協はその通りに運用していなかったため、困窮者が貸付を受けられない事態が続いていました。
 「申請から入金まで10日以上かかる」「毎日預金通帳を記帳して見ているが、いつになったら入金されるのか不安」「融資が断られても不認定の通知が来ない」「申し込みは順番待ちで2〜3時間かかる」「20万円の申し込みに、10万円しか出なかった」「貸し渋りではないか」などと、申し込んだ市民から不満の声が出されていました。
 新潟県生活と健康を守る会連合会は、県社協に対して、「国の通知に従わず独自の取り扱いをして、申請を妨げている」と改善を求めて2回にわたり交渉を行いました。貸付を受けられたのは、5月初旬で社協に相談した人の6分の1程度でした。地元の新潟日報などでも運用の問題を指摘する記事が載り、とうとう厚生労働省も指導に動いたようです。そこで社協は一転、運用の改善を図りました。

実印は求めない

8点で改善を実現

 改善されたのは次の点です。(1)受付から4営業日で融資する。さらに短縮するよう努力する。(2)郵送による、より簡便な申し込みのために「ろうきん」と郵便局を窓口にした。(3)実印、印鑑証明書の提出は求めない。(4)限度内の範囲で、複数回の申し込みができる。(5)不認定の場合は郵送で通知する。(6)時間のかかる「生活福祉資金受付票」に記載は求めない。(7)住民票がなくても申請は受け付け、事後処理する。(8)住民票と現住所が違う人にも、利便性を考え対応する。DVや福島原発事故の避難者、プライバシー保護のため居住地から住民票が取れない場合、住民票のある市町村に橋渡しして対応する。

さらに改善を

 県社協によると、緊急小口資金では足りず、総合支援資金の申し込みの相談が数件あるとのことでした。これまでは申し込みの際、自立支援事業を受けることが条件でしたが、厚労省はこの条件をなくし、緊急小口から切れ目なく融資が受けられるようにとの通知を出しています。これから総合支援資金の活用が増えますので、改善の運動がさらに必要になります。
 しかし、県社協は申し込み窓口を当面、社協とするとしており、問題も残しています。
(野沢慎一郎通信員)


申請は簡単

入金まで5日間

新潟市 片桐政博さん (69)

 私は鍼灸院を営む自営業です。コロナ感染の影響で収入が大きく減少し、持続化給付金の申請を検討しましたが、必ずしも満額給付の申請ができるわけではなく、添付書類の準備を考慮した時、生活資金の減少による貸付の方が良いのではと思い「緊急小口資金」の申請を行うことにしました。
 返済の目途もなんとかなると思い、申請書類を労働金庫より郵送でもらいました。記入は面倒ではありません。申請書の発送から入金まで5日間でした。引き続き「総合支援資金」の申請を考えています。それぞれにあった制度を活用して、この状況を乗り越えましょう。
 私たちの先駆者たちが勝ち取った制度を利用し、さらなる拡充を図って、次の世代へ引き継ぐことが私たちにできることではないでしょうか。
 「良いことは必ず勝利する」(ベラ・チャスラフスカさんの言葉より)と実感しています。

(2020年6月21日号「守る新聞」)

 
   
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