北海道
相談会に力入れて会員拡大
宣伝チラシの工夫と大量配布で相談者増やす
新型コロナ感染症拡大の影響で仕事がなくなった、収入が減少したなど、生活に困窮する人が増えています。国民健康保険料(税)の減免などで、コロナ禍に対応する制度ができましたが、活用がなかなか進んでいません。生活と健康を守る会は、各地で相談会を開き、制度利用や生活の悩みなどにアドバイスをしています。北海道内での相談会の取り組みを紹介します。
ニーズに合わせて3種の相談会チラシ
札幌北区
「国民健康保険料のコロナ減免制度を活用しましょう」
札幌北区生活と健康を守る会は、こうした呼びかけチラシ8400枚を配布し、6月21日に相談会を開きました。
この日は開始時から次々と相談者が訪れ12人が相談に来ました。
コロナ禍の自粛生活で、大きな影響を受けた個人タクシーの運転手が来場、3月から5月までの3か月間の売上が昨年と比べて4割も減っていました。
国保のコロナ減免を利用すると、今年の国保料と介護保険料24万円の全額が免除されることになりました。
コールセンターに勤めていた40歳の女性は、感染不安から4月に退職。家賃補助を3か月間受けられる「住居確保給付金」を利用し、1か月分の家賃補助を受けましたが、仕事が見つかりません。貯金もなくなったのでどうしたら良いかと来場しました。相談の結果、生活が安定するまで生活保護を利用することになりました。
今回作成したチラシは3種類で、市営住宅向けには2000枚を配布。「コロナで収入減になれば家賃減免制度が使えます」と呼びかけました。60歳のタクシー運転手は昨年5月に一時退職し、今年の5月に復帰する予定でしたが、「コロナが収まってからでないと復職ができない」と断られ、現在無収入。収入がゼロなので家賃が全額免除になるはずと考え減免申請をしました。
地域向けのチラシとしては3000枚を配布。ハウスクリーニング業を営んでいる70代の男性は、主な顧客が個人のため仕事依頼が激減し、3月からの売上が30%減少していました。19万円の国保保険料が全額免除になります。日給月給の50代の土木作業員は感染防止のため仕事がなくなり、3月からの給料が58%も減収。24万円の国保保険料が全額免除になることが分かりました。
相談会に参加した12人のうち4人が入会しました。そのうち家賃減免の相談からの入会が3人でした。(対馬敏明通信員)
他団体機関紙も使い区内へ幅広く宣伝
札幌白石区
白石区生活と健康を守る会が中心になっている110番連絡会は6月25日、「国保110番相談会」を開催。事前に8000枚以上のチラシを白石社会保障推進協議会加盟団体などの機関紙へ折り込み、区内の道営住宅、市営住宅、UR団地に配布しました。
会場は区民センターの集会室。密集しないよう設営し、守る会の2人を含むスタッフ6人が参加。2時間ほどの相談会には7人が来場しました。
「去年の12月に退職し、収入が年金だけになったけど、保険料が安くならないか」「納付書と一緒にコロナ減免の申請書が入っていたけど書き方が分からない」などの相談があり、スタッフが丁寧に説明をしました。
また、相談に来た持病がある人は、これからの生活に不安があるとのことで、引き続き守る会で相談することになりました。
その後の相談会では、新聞が1部増えました。(鳴海真樹子通信員)
(2020年7月19日号「守る新聞」) |