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ひとり一人を大事に寄り添う活動

『いつかきっと』 会員が自費出版

多くの人に生健会を知ってほしい

埼玉・与野 浅倉和江さん

 埼玉県・与野生活と健康を守る会会員の浅倉和江さん(74)が、生活と健康を守る会の活動についてや自身の人生をまとめてみようと執筆し、その本を自費出版しました。会を会員の目線から書いた『いつかきっと』(文芸社)を紹介します。(永久俊満)

タイトルへの思い

生健会の魅力

〈浅倉さんの話〉
 きっかけは、18年間、生健会に携わってきて感じた、会のことを一人でも多くの人に知ってほしいという思いと、70歳を迎え自分自身のこれまでの人生をまとめておきたいと思ったことからです。
 本のタイトル『いつかきっと』は、父が還暦のときに記念になることをしてあげたいと歩んできた人生を1冊の本にまとめて自費出版したときと同じタイトルです。父は「『いつかきっと』見返してやる」という気持ちで頑張ってきたと話していたので付けました。私の本も同じタイトルにしましたが、「『いつかきっと』いいことがある」という思いを込めています。
 表紙は孫に作ってもらいました。同じように見えて違う花の花びらです。生き物はそれぞれが命(種)をもらい、つぼみをつけ実がなる。同じように見えてもそれぞれが違う、人間もみんな違う個性があり、個性を大事にという思いが込められています。
 生健会との出合いは、本にも書きましたが、当時、夫が亡くなり引きこもっていた私のことを知った、与野生健会の村上工さんから、「遊んで遊んで、ちょっと勉強する会」に入りませんかと誘われたときです。好奇心が強いので、ちょっと勉強する会とはどんな会なのかと興味を持ち入会しました。
 生健会の魅力は、徐々に結果が出るところだと思います。すぐに結果が出ることはほとんどないですが、一人の人に寄り添って、数年かかってもちゃんと結果が出ます。
 生健会の活動は、私も以前にうつ病になりましたが自分よりも大変な人がいることを知り、自分はこんなことでいいのかとの思いから、地道に続けてきました。ひとり一人、性格、考え方が違って当たり前、個性があっていい、焦らずに長い目で見守って寄り添って。みんなで助け合いをコツコツやっていけばいいと思います。そして、生健会の必要がなくなるくらい国の福祉が充実すればうれしいです。

想像以上の反響

いろいろな人生

 知人に本を出したことを伝えると驚くほどの反響がありました。
 与野生健会の多賀哲弥会長に感想をもらいました。
 浅倉さんが自身の歩みを記した本を出版しました。2部構成で第1部は自身の歩み、第2部は生健会との出合いと知り合った人々との交流を綴っています。第2部の第1章は、与野生健会の活動。
 特に1泊旅行の話は、旅行委員長としての浅倉さんの細やかさがよく表れています。旅行については「参加者の半数くらいが障害者で、こういう旅行ができることに感心する」との感想をもらったことがあります。班会もいろいろな話があるのですが、載っていないのが残念です。浅倉さんは、根っからの「おせっかい」に、自身の「うつ病」の体験がいい具合に加味された、独特なやさしさと温かさで人との交流を深めています。
 第2部の第2章「生き辛さを抱えながら頑張っている方たち」は、いろいろな人の人生をそのまま受け止めながら、ほどよい距離感で記しています。聞き上手な「浅倉節」の真骨頂です。帯に「生きていて、よかった、今、本当にそう思う」と書いてあります。その通りの読後感が得られる本です。

(2020年9月20日号「守る新聞」)

 
   
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