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軍事費突出の2021年度予算案

コロナから命と暮らし、仕事を守れ

 新型コロナウイルス感染が猛威を振るい国民の命と暮らしが危険にさらされている中、昨年12月21日に2021年度予算案が決まり、20年度の第3次補正予算と合わせて15か月予算として、1月18日から始まる通常国会で審議されます。来年度予算案はこれまで最大の106兆円で、社会保障費の自然増を削減する一方、防衛費(軍事費)は9年連続の増額、7年連続の過去最多更新となっています。予算案について会員の声を紹介します。

生再度の緊急給付を

医療・介護・保育は危機
埼玉 大宮生活と健康を守る会会長
加藤 哲夫

 日本医師会など9団体が「医療の非常事態宣言」を出さざるを得ないほど、日本の社会が危機を迎えています。医療だけでなく、介護も、保育も営業も本当に危機的な現在の状況は、人間の命と暮らしを守るための制度が、いかに脆弱(ぜいじゃく)なのかを実感せざるを得ません。
 そんな非常事態の中で、2021年度予算案が閣議決定されましたが、「自助」を最優先してきた社会が行き詰まっているのに、それを打開する展望を何も示せていません。
 医療・福祉分野はどこも人手不足ですが、ケア労働に対する改善が見送られたままでは、抜本的改善は困難です。社会保障はこれからも抑制、弱者いじめが続きます。保育の待機児童を減らすための財源として、児童手当の改悪が狙われようとしており、不安が広がっています。
 低所得者も含めた全ての人の生活を支援するために、期限付きでも消費税をなくすとか、生活を維持するための再度の緊急給付がないと、命をつなげないのではないでしょうか。

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「9条壊すな」と闘う

イージス搭載艦許さない
山口 萩生活と健康を守る会会長
玉置 正

 安倍内閣が2015年9月に安保法制「戦争法」を強行採決したとき、私たち萩生活と健康を守る会も加わり、「戦争をさせない!9条を壊すな!総がかり行動萩実行委員会」を立ち上げ、活動しています。安倍政権は17年12月、北朝鮮のミサイル攻撃に備えるとして、防御システム(イージス・アショア)2基の導入を国会審議もなしに閣議決定。北朝鮮や中国、ロシアの弾道ミサイルを迎撃できる基地を山口県萩市むつみ演習場と秋田市に設置するとしました。反対運動が起こり、電磁波による人体への影響や、配備予定のミサイルは発射時のブースター落下をコントロールできないことが判明し、19年6月に配備計画が撤回されました。
 しかし、政府は陸上配備型迎撃ミサイルイージスシステムの代替策として、イージスシステム搭載艦を2隻建造するとしています。1隻2500億円ともいわれ、巨額の費用になります。不要不急な軍事費よりも足元で起きているコロナウイルス対策が必要です。
 緊急事態宣言以来、知人が経営する電気店が経営不振となり持続化給付金を申請しようとしましたができず、最終的に萩生健会の援助で申請できました。
 命と暮らし生業を守るべき政府が、国民には補償なき自粛要請、「Go To」事業の愚策で感染が止まりません。医療現場の声に耳を傾け、市民の不安や要求に沿った政治と予算が求められます。

(2021年1月17日号「守る新聞」)

 
   
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