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要求・運動で勝ち取りました!

生活と健康を守る会の運動が行政動かす

 生活と健康を守る会は、生活保護行政の改善や福祉政策の充実などを求めて、審査請求や署名活動、陳情や請願など、さまざまな運動を各地で展開しています。地道な運動で勝ち取った成果について、札幌北区と東京・足立からの報告です。

被服費申請却下は違法

審査請求で知事裁決

札幌北区

 昨年、札幌市北区に住む二人の男性が生活保護申請時に、身に着けている衣服しか持っていなかったことから被服費の申請を行いました。北区保護課は、局長通知「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第7の2(5)ア(イ)では「現に着用する被服(平常着)が全くないか、もしくは全く使用に堪(た)えない状況にある者」となっており、今回はそれに該当しない、として却下しました。

審査請求で一転

 そこで7月と9月にそれぞれ審査請求を行ったところ、北海道知事は今年の3月18日付で、北区保護課の主張は生活保護法9条(※)の「必要即応の原則」に違反しているとして二人の主張を認めました。

着の身着のままで

 二人は路上生活や本州のグループホームを飛び出して、札幌市内のホームレス支援団体のシェルターを利用し、生活保護の申請を行いました。しかし衣類の持ち合わせがなく、一人は薄汚れた白のジャージーと身に着けていた下着しかなく洗濯もできないままで、保護決定後に、支給された保護費からまずは衣服を購入するという状況でした。
 知事裁決書では、「現に最低生活の維持に必要不可欠な被服等を欠いている場合は一時扶助費の対象になる」(事務次官通知第7の2)とした上で、法9条「必要即応の原則」に照らし、処分庁の判断は「裁量権の範囲の逸脱または濫(らん)用(よう)にあたる」と断罪。処分の取り消しを命じました。

今後は事実を見る

 3月22日に北区生活と健康を守る会が行った緊急申し入れの場で、北区の保健福祉部長は、「裁決を真摯に受け止め、誤った処分でお二人にご不便をおかけし、余計な手続きをさせたことをお詫びする」と謝罪。31日には、ご本人への謝罪の席で、保護課長は「1万4000円の被服費を支給する。今後は困っているという事実にしっかり目を向け、生活保護手帳や別冊問答集の行間を読み込む努力を図る」と述べました。
(対馬敏明通信員)
※生活保護法9条…(必要即応の原則)保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且(か)つ適切に行うものとする。


高齢者世帯にエアコン

運動実り補助制度

東京足立

 足立区は今年4月から、65歳以上の高齢者(単身世帯および高齢者のみ世帯)を対象に、エアコンの購入・設置費用について7万円を上限とする補助制度を開始しました。
 居宅している住宅にエアコンがないか、あっても故障して動かない場合に、1回に限り補助します。所得制限はなく、生活保護利用者も対象となっています。
 足立生活と健康を守る会は5年以上前から、熱中症予防のためエアコンが必要だが、経済的理由で購入・設置ができない世帯のための補助制度創設をと足立区に要望し、議会への陳情も提出してきました。
 そして夏の暑い日にも街頭で署名を集めるなど粘り強く実現を求めてきました。この間、貸付の制度も実施されましたが「貸付ではエアコンは設置できない」と改善を訴え続け、ついに補助制度実現に至りました。
 会員のAさん(76)は、「エアコンがなく、夏は暑くて難儀していた」と、この補助制度実現を喜び、さっそく申し込み手続きをしました。
(鈴木賢市さん)

(2021年4月25日号「守る新聞」)

 
   
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