「生きる勇気もらった」「もっと開いて」
フードバンク大盛況
大阪・西淀川 藤井寺
新型コロナウイルス感染症の影響で失業や収入減になる状態が収まりません。全国各地で、支援物資の配布や生活相談が取り組まれています。大阪から、西淀川と藤井寺市の経験を紹介します。
スタッフのべ150人
チリ出身者の相談も
大阪市西淀川区
「西淀川食料無料市場」実行委員会は6月5日、歌島橋バスターミナル跡地で、第4回西淀川食料無料市場(フードバンク)を開催しました。同実行委員会には西淀川生活と健康を守る会、淀川勤労者厚生協会など民主団体の他に、西栄寺、こども食堂などが参加しています。
来場者は子どもも含めて550人、アンケート回答者334人、ボランティアスタッフは前日準備を含めると150人を超える参加でした。農民運動全国連合会(農民連)から提供された約500キロの米の小分け、即席ラーメン、レトルトカレー、ビスケットなどの基本セットを配布し、紙おむつ、生理用品、マスクなどを配りました。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で知り、遠方から来た人もいました。
住之江区から自転車で2時間かけてきた派遣社員の男性は「仕事が激減。家賃の支払いができず悩んでいたが、生きる勇気をもらった」と語りました。相談コーナーは20人もの人が利用し、自粛生活が長引く中、生活苦がより深刻化していることを感じます。
南米チリ出身66歳の女性は「日本に来て22年、コロナで失職。生活保護を利用してきたが、警備会社のパート契約を機に生活保護をやめた。しかし、仕事が少なく、携帯電話の利用料が払えない」。49歳男性は「腰を痛め物流関係の仕事を退職したが、再就労が難しい」と話します。生活保護を勧めても、6年前の生活保護利用時に「就労支援」の名によるひどい暴言・パワハラを受けた経験があり、かたくなに拒否。現在、無料低額診療の利用を検討中です。
いずれも食料援助を続けながら、解決へ向けて支援しています。(北野倫子通信員)
若い人が多く参加
アンケートに要求
藤井寺市
藤井寺市の「おなかいっぱいプロジェクト」は5月15日、藤井寺市南岡会館で、「第2回おなかいっぱいプロジェクト」を行いました。緊急事態宣言下でしたが、藤井寺市や地元区長から「こんな取り組みなら会館を使って」との返事を受けて開催することができました。
当日は、前回を上回る150人が来場。特に感じたのは、一人暮らしの学生など若い人たちが多いことです。妊娠中の女性や小さい子どもを抱えた家族も目立ちました。喫茶店を経営している女性はコロナの影響で収入はほぼゼロとのことでした。
支援物資を手にして笑顔で帰る姿に、物資を提供してくれたみなさんに感謝の思いでいっぱいです。子どもたちが走り回りみんなが笑顔になれる取り組みでした。
この「プロジェクト」は地域の有志を中心に実行委員会を作り、羽曳野・藤井寺生活と健康を守る会から私など3人ほどが参加しました。
来場者は30代が20人で一番多く、70代18人、40代・60代が14人、10代や20代の人もいました。外国籍の人も多く、「小さい子がいるので仕事が探しにくい」(29歳、ベトナム人)、「言葉がよく分からない」(31歳ベトナム人)、「子育て家族向けに今日みたいな会を開いてほしい」(27歳)、「コロナで仕事がない」など、悩みや要望がアンケートにぎっしり書かれていました。(源 理恵通信員)
(2021年6月27日号「守る新聞」) |