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社会に目を向ける若者の活躍を

大学の授業で生健会の活動などを紹介

鹿児島県連

 生活保護という制度は知っているが、趣旨や目的は知らないという人が多くいます。生活保護をめぐるバッシングも、制度の内容などを十分に知らないことから起こっているといえます。鹿児島県生活と健康を守る会連合会は7月15日、鹿児島大学の授業に参加する機会があり、学生たちに生活と健康を守る会の活動や生活保護の現場の実態や問題点を話しました。若い人たちに生活保護への関心を持ってもらおうという活動の報告です。

3人が授業に参加

生活保護の実態を語る

 鹿児島大学法学部の伊藤周平教授は、福祉の専門家として各地から公演に招かれるなど著名な学者です。
 「生存権裁判を支援する鹿児島25条の会」の会長を引き受けてもらい、鹿児島市生活と健康を守る会の会員でもあります。
 伊藤教授からこれまで3回ほど声をかけてもらい、生活保護利用者の声や生活と健康を守る会の活動などについて、ゼミの学生に対し話をしたことがあります。
 7月15日にも誘いを受けて、鹿児島県生活と健康を守る会連合会の祝迫加津子会長、役員の吉井礼子さん、永吉勝子さんの3人が授業に参加しました。今回は、大学3年生を相手に話す機会を与えてもらいました。

今回は申請について

実際の申請書を使い説明

 今回はなにを話せばいいのか迷いましたが、実際の生活保護の申請にはどういう手続きが必要なのか、鹿児島市の申請書を基に、具体的な現場の実態や問題点を中心に話を進めることにしました。
 話の中で、生活保護の申請は誰でもできること、申請は添付書類を全部提出できなくても、申請書一枚を提出するだけで可能であること、生健会では申請書を鹿児島市のホームページからダウンロードして、あらかじめ書類を作成して福祉事務所に同行し、その日のうちに申請を済ませていること、「水際作戦」で申請書を渡さないようなことは許せないことなどを説明していきました。

強調した「保護は権利」

誰でも利用できる制度へ

 特に学生に強調したかったのは、「生活保護は国民の権利」であり、困ったときには誰でも利用できる制度にしなければならないということです。
 もう30年くらい前のことですが、年金がわずか3万円しかないのに「息子に迷惑をかけたくない」と絶対に生活保護を利用しようとしなかった女性がいました。2年の歳月をかけて、ようやくこの女性に生活保護の利用を決意してもらったことがあります。この経験にも触れて、なぜそんなにも生活保護利用に抵抗を覚えるのか、現在もなお多くの国民に染みついている「恥辱(ちじょく)感」をなくしていくために何が必要なのかとして、「生活保護制度」ではなく「生活保障制度」とすること、扶養照会の廃止、自動車の保有・使用の条件緩和、政府や自治体による広報活動の必要性なども盛り込みながら話を進め、「いのちのとりで裁判」の現状と支援の要請もして、話を締めくくりました。
 はたしてどのくらい学生に届いたでしょうか。

生活困窮に関心を

問題意識を持つ若者に

 一緒に参加した吉井さん、永吉さんからも、生健会に相談するまで生活保護制度があるということも知らなかったことや、生活保護制度の重要性、生健会の活動などについての体験の話がありました。
 学生たちは熱心に耳を傾けてくれました。若い人たちが広く社会に目を向け、生活保護をはじめ生活困窮者の問題に関心を持ち、今後活躍してほしいと願わずにはいられません。
(祝迫加津子通信員)

(2021年8月1日号「守る新聞」)

 
   
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