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コロナに負けず裁判勝利へ奮闘

生活保護制度を良くする会 第9回総会・学習決起集会

北海道

 生活保護基準引き下げは違憲と全国で闘っている「いのちのとりで裁判」は、名古屋地裁をはじめ4つの地裁で判決が出されました。「新・人間裁判」の名称で闘われている北海道では3月29日、札幌地裁が請求を棄却するという不当判決を出しました。原告は4月12日、判決を不服として札幌高裁に控訴しました。裁判を支援する生活保護制度を良くする会が7月31日に行った総会と学習決起集会を紹介します。

 生活保護制度を良くする会は7月31日の土曜日、札幌市内で第9回総会と学習決起集会を開催しました。
 総会には、原告、弁護団、支援団体などから、オンライン参加の20人を含む88人が参加しました。

展望を学習しよう

「黒い雨訴訟」に触れあいさつ

 最初に共同代表の大賀浩一弁護士があいさつを行いました。
 大賀弁護士は、前日に勝利した「黒い雨訴訟(※)」に触れて、「被爆から76年にして勝利した。今回、渡辺達生弁護士は、控訴審での展望について話すでしょう。しっかり学習して頑張りましょう」と語りました。
 ※1945年8月6日、広島の原子力爆弾投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」を浴びた84人が「原爆症(原子爆弾による放射線障害などの原子爆弾症の略称)」と認め被ばく者健康手帳を交付してほしいと提訴した裁判。2021年7月、高裁の勝訴を経て、国が上告を断念し判決が確定。

控訴審に向け提起

やってほしい4つの方針

 学習会で講演した渡辺弁護士は、「今までに4つの地裁で判決が出された。名古屋(愛知)、札幌(北海道)、福岡で敗訴し、大阪で勝利した。今後、9月に京都、11月に金沢(石川)、12月に神戸(兵庫)と判決が続く。大阪地裁に続いて、札幌高裁で勝利するためには、何が必要か考えましょう」と話し始めました。
 そして判決の内容、「デフレ調整」「ゆがみ調整」について、いのちのとりで裁判全国アクション作成の「いのとりパンフ」に沿って丁寧に説明しました。
 最後に、「控訴審に向けてみなさんにやってほしいこと」として、次の4つの方針を提起しました。
 (1)原告を全て抱えている北海道生活と健康を守る会連合会の運動の拡大、(2)世論を喚起するおう盛な宣伝活動、(3)法廷での意見陳述、(4)高裁、国会などに対する署名活動の奮闘―。

満場の拍手で採択

弱い者を支える社会をつくろう

 その後の総会では、吉田弦一原告副団長から「負けてがっかりしたが、良い勉強になった」、内田信也弁護団長から「大阪では勝ったのです。確信にしましょう。弱い者を支える社会をつくろう」、細川久美子原告世話人代表から「原告と一緒に意見陳述をつくってきた。永遠に残るものだ」などのあいさつがあり、国民救援会道本部の守屋敬正会長は「世の中の進歩を進めながら裁判を進めよう」と激励のあいさつを行いました。
 そして、三浦誠一事務責任者からの報告があり、「控訴審への傍聴、宣伝活動、学習会などに頑張ろう」「2018年度〜20年度の新しい裁判は、原告・弁護団、支援する団体と協議して決めたい」と方針を述べました。
 討論では、札幌北区生活と健康を守る会の対馬敏明会長、精神障害者を支援する会の松崎マサ子さんが発言しました。
 総会は、予算・決算、人事などを満場の拍手で採択しました。
 閉会のあいさつをした北海道社会保障推進協議会会長の堺慎共同代表は「オリンピックが強行されて大変な事態になっている。コロナに負けず、生活保護制度を良くするために奮闘したい」と結びました。
(「良くする会ニュース」より)

(2021年8月29日号「守る新聞」)

 
   
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