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急激な物価の上昇で家計に悲鳴

今こそ抜本的な対策で命と暮らしを

守れ

 昨年来の原油高や原材料高、輸入価格を押し上げる円安、さらにロシアによるウクライナ侵略の影響などでさまざまな物価が上昇し家計を直撃しています。特に低所得者ほど厳しい状況に陥っています。政府には、今こそ消費税減税や生活保護基準引き上げなどの抜本的な対策が求められています。埼玉と静岡から窮状の訴えです。

生活実態見てほしい

埼玉・与野生活と健康を守る会

会田 圭子(75)

 私は、2013年11月から生活保護を利用しています。その時の基準額は12万9610円でした。
 今年の4月の基準額は、11万9600円です。約8年間の間に1か月1万円引き下げられたことになります。
 単身で昨年8月に75歳になったことくらいで、私の身の回りに変化はありません。変わったのは、生活保護基準が2回見直され、6年にわたる引き下げが行われたことです。住宅扶助や年末の一時扶助、冬季加算も引き下げられました。
 その上、昨年からの物価の値上がりは、本当に厳しいものがあります。灯油は、1缶約300円の値上がりでしたので、今年は灯油を使わずに、エアコンとホットカーペットで厚着をして我慢しました。結局、暖房費は、灯油を使った場合より約1000円の節約になりましたが、冬季加算(2630円)の2倍の電気代がかかりました。
 この間、他に節約したものでは、衣類など身に着ける物を買わなくなりました。先日、冬物のシーズンが終わり、バーゲンで1000円のセーターを買いました。
 旅行にも行っていません。外食しなければならないときは、もっぱらサイゼリアの500円のランチで助かっています。
 私は観劇が趣味なのですが、今後、観劇は無理かもしれないとあきらめていました。ですが臨時特別給付金の支給があり、今年一年は続けられそうなのでとてもうれしいです。他にも、給付金で、今まで買えずに我慢していた暗い照明や古いガスコンロを買い替えるつもりです。
 厚生労働省の人たちにお願いです。生活保護基準を見直す場合には、ぜひ、生活保護利用者の生活実態を見てもらいたいです。データの数字も必要かもしれませんが、生身の一人一人の利用者の生活実態は何よりも雄弁だと思います。どうぞよろしくお願いします。

早急に夏季加算を

静岡・磐田生活と健康を守る会

岩崎 秀子(71)

 私は71歳の一人暮らしです。一昨年の暮れ、大腿骨骨折で入院。手術、リハビリを終え無事退院。今では自転車に乗れるまでになりました。生活保護の恩恵に改めて感謝しています。
 しかし、最近の社会経済状況の変化と、物価上昇に伴い、その中で生活していくには限りが出てきました。生き抜くために、今あるものを工夫して、質素倹約に徹するしかできません。
 食事は見切り品を主に、簡単節約レシピを参考にシンプルに作っています。ある店で「ぼくには明日がないんだ」と書かれた見切り品を見て、「私が助けてあげましょう」と必要なものを選びました。ストックできるものはうれしいです。
 光熱費も節約をとことんやるしかありません。もちろんエアコンは使わず扇風機、氷枕、ぬれタオルです。冬季加算はありますが、夏季加算はありません。年々更新される夏の異常気象による心身への負担は重く、早急に夏季加算を切望したいと思います。
 私にとってテレビは必要不可欠です。世の中の情報を知り、旅番組で癒やされます。たまには風呂にゆっくり入ってみたいです。ぜいたくは望みませんが、健康で文化的な普通の暮らしとは何でしょう。時にはアクセルを踏んでみたいです。
 感謝の心と探求心を忘れず、共に笑顔で生きていきたいです。

(2022年5月29日号「守る新聞」)

 
   
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