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熊本地裁で2つ目の勝訴判決

大阪に続き生活保護基準引き下げの違法性認める

 全国で闘われている生活保護基準引き下げ違憲訴訟の熊本地裁判決が5月25日に出されました。大阪に続く2つ目の勝訴判決でした。勝訴判決を勝ち取った熊本から、報告をもらいました。

踏み込んだ勝訴判決
生活困窮の訴え届く

 熊本県内の生活保護利用者36人が、2013年8月に行われた生活保護基準引き下げによる減額は生活保護法に違反するとして、提訴している「ストップ! 生活保護基準引き下げ行政処分取り消し請求訴訟裁判(いのちのとりで裁判)」において、5月25日に熊本地方裁判所は「処分を取り消す」と原告勝利の判決を言い渡しました。全国29地裁で提起されている同種の訴訟での勝利判決は、大阪に次ぐ2例目です。

共に喜び合う

 当日の13時30分、生活と健康を守る会会員25人を含む支援者40人が熊本地裁前に集まり、加藤修弁護団長の「勝利を願うのみ」とのあいさつの後、横断幕を持った原告団を先頭に裁判所に向けて入場行進しました。
 14時に熊本地裁101法廷で、中辻雄一郎裁判長から「保護費引き下げ処分を取り消す」と判決が言い渡されました。
 「勝訴」の文字を掲げた、浅井勝也原告団副団長が地裁門前に現れ、外に待機していた人たちと共に勝利を喜び合いました。阿部広美弁護団事務局長は、「大変踏み込んだ内容のある判決であり、原告団・弁護団・支援者で共に喜び合いたい」と話しました。

訴えほぼ認める

 15時から行われた報告集会の会場は、マスコミ関係者で大半が占められ、会場に入れず会場の外に待機する支援者もいました。
 報告集会で阿部弁護士は、判決内容について「『デフレ調整』『ゆがみ調整』についての過誤を認め、専門的知見との整合性にも欠ける点を指摘した内容で、原告団・弁護団の主張がほぼ認められた判決」と報告し、「これから『控訴しないように』との要望をしていく」と話しました。
 浅井原告団副団長からは、「生活保護費減額による生活困窮の訴えを裁判官に聴いてもらえたように思う。うれしい」との発言がありました。
 支援団体を代表して、熊本県生活と健康を守る会連合会の右田捷明会長、熊本県労働組合総連合の楳本光男議長、全日本年金者組合熊本県本部の小田憲郎委員長などが激励、並びに決意表明を行いました。
(右田捷明通信員)


本当の勝利へ団結を

原告団副団長 浅井勝也

 原告団と弁護団の熱意が実り「いのちのとりで裁判」に、大阪府に続き熊本は勝利しました。
 真夏の暑い日も、冬の寒さの中でも、私たち原告は熊本地裁の門前に立ち、引き下げられた生活保護基準を元に戻すことを訴え続け、市と県にも夏季手当などの陳情に通いました。
 いつもみんなで申し合わせたのは、今の生活が苦しい現状を自分の言葉で前を向いて発言しようということでした。恥も外聞も捨て、本音で司法と向き合った勝利だったと思います。
 いつも手弁当で応援してくれた弁護団の弁護士らの力添えもあったからこそでした。まだまだこの先、闘いは続きますがより一層団結して本当の勝利を目指します。全国の生健会のみなさん、自分たちを信じて共に前進しましょう。

(2022年6月12日号「守る新聞」)

 
   
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