物価高対策で道庁・札幌市への要望実る!
独自の給付金や減免、融資など行うと回答
北海道
物価高騰が厳しさを増しています。値上げは食料品、水道光熱費など生活必需品を中心にあらゆる品目にわたっており、特に低所得者の生活に打撃を与えています。食品主要メーカーの年内の「値上げ計画」は、実施分を含め1万数千品目に及び、平均値上げ率は13%を超えています。このような情勢の中、全国の生活と健康を守る会は国や自治体に「物価手当」などを求める運動を起こし、奮闘しています。北海道では、北海道生活と健康を守る会連合会(道生連)などが道や札幌市に要求し、それぞれで成果がありました。
物価手当などの要望書
道・札幌市に提出
道生連、道社会保障推進協議会(社保協)、道商工団体連合会、札幌社保協は6月15日に北海道庁、6月17日に札幌市宛てに要望書を提出しました。
要望項目は、(1)低所得世帯(生活保護基準×1・5倍以下)、障害者世帯、ひとり親世帯、低年金高齢者世帯などに対して「物価・電気代手当」ともいうべき給付金5万円を支給してください、(2)低所得世帯などの小学校・中学校の児童生徒の給食費負担を半額にしてください、(3)低所得世帯の19歳未満児に対して、1人当たり5万円の給付をしてください、(4)大学生・高専生徒などへの授業料無料を実施してください、(5)原油価格・物価高騰などの影響を受けている中小事業者に対し、1事業者当たり5万円の緊急支援金を給付してください。※道庁へは(1)〜(4)の実施のために市町村への2分の1の財政助成を要望しました。
道庁の回答
低所得養育世帯1万円
道庁の回答は、「現在の情勢を鑑み、市町村が実施する低所得者などへの支援に対し補助することを決めた。また、ひとり親世帯、低所得の子育て世帯には、国の5万円給付の他に道独自に1万円の給付を行う」でした(すでに支給されている町村もあり)。
事業者へは、「道内事業者等事業継続緊急支援金支給事業」を新たに実施することを決めました。要件は、(1)昨年11月から今年10月までのいずれかの月の売り上げが、2018年11月〜20年3月の同月比で20%以上減少していること、(2)昨年11月から今年10月までのいずれかの月に購入した原材料などの単価が2020年11月〜21年10月までの月の単価より増加している場合で、この二つの要件を満たすと、中小・小規模事業者は10万円・個人事業者は5万円給付されます。
7月27日から10月31日までが受付期間となる予定です。
札幌市の回答
18歳まで全てに1万円
札幌市の回答は、「子育て世帯への支援として、道は低所得世帯の子どもに限定したが、所得制限なしで18歳までの全ての児童に対し、1人当たり1万円の支給を行う」(道の1万円に上乗せ支給されるわけではない)でした。
また、原油価格高騰・物価高騰による学校・保育所などの給食費への影響を避けるため、食材購入にかかる費用の助成を決定。他にも、水道料金2か月分(10月・11月分)の基本料金の減額、生活困窮者自立支援金の再支給時に独自に月1万円を追加支給するとしました。
事業者へは、「原油・原材料高騰等対策特別枠」と「事業革新支援資金」の二つの融資が新設されました。
(「ふくしの窓」から)
(2022年9月4日号「守る新聞」)