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全生連が全国で物価手当を求めて運動

非課税世帯に5万円支給実現

 食料品、日用品、水道光熱費、輸送料金まであらゆる物価が急騰し、私たちの生活を大きく圧迫しています。全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は厳しい生活実態を二度にわたり内閣府に訴え、個人請願も届けました。その結果、政府は物価高対策として、住民税非課税世帯に、1世帯当たり5万円の給付金を支給することを明らかにし、私たちの運動が結び付いた形になりました。

 全生連は7月27日、内閣府に物価高騰問題で「低所得者に物価上昇に見合う物価手当(給付金)を支給すること」の要望を届け、交渉を行いました(一部既報)。
 さらに9月9日、丸山秀子副会長、山本泉常任理事、笹井敏子常任理事、高野秀純全国理事、西野武事務局長ら6人は内閣府に、全国から集めた個人請願書332通(下部参照)を届け、支援を訴えました。
 内閣府担当者は請願書を受け取り、「要望に対し、新たに住民税非課税世帯に5万円の『物価手当』を支給する」と回答しました。
 全生連は都道府県や市区町村に、独自の物価高騰対策を要望し、国へ抜本的な支援策を求めることを要請してきました。5万円「物価手当支給」は、こうした全国の運動の貴重な成果です。


 提出した請願書は下記の通りです。

内閣総理大臣 岸田 文雄 様

物価高騰問題に関する個人請願書

 2022年度の物価は年率3%に高騰し、低所得者や生活困窮者にとっては年率4%にも当たる高騰になっています。ところが、政府の低所得者・生活困窮者向けの対策の予算は、一時金の当初4000億円、補正で8000億円だけで、円安を継続し根本的な対策は未だにありません。8〜10月には生活必需品、生鮮食料品、小麦製品など、約1万品目もの値上げが予定されています。電気・ガス料金も高水準のまま、灯油も価格が引き下がる気配はありません。夏場はクーラーが使えず、冬場は今から暖房費の心配がされています。
 (1)低所得者に対する物価・電気代等補助の一時金支給、(2)国による物価補正、(3)学校給食費の無料化、(4)大学授業料の無償化、(5)賃金、年金支給額、生活保護基準の大幅な引き上げについて、「私の要求」を請願いたします。


個人請願書に書かれた「私の要求・生活の状況」
(一部抜粋)を紹介します。

・もう少し生活保護の金額を物価の値上げと同じように上げてもらえませんか。風呂に入らず体を濡らしたタオルで拭いています。知的障害の息子の介護で交通費をかけてグループホームへ行っています。それを考え光熱費など全てを節約しています。助けてほしいです。(札幌市東区 M・Nさん)

・年金が年々下がってきているのに、食品などの生活必需品が高騰し毎月の生活費を切り詰めています。冬の暖房費のことを考えると、先行きに不安が募ります。(岩手県滝沢市 S・Tさん)

・値上げ商品が続々と出て、生活費を圧迫しています。年金は下がり、国民健康保険料、介護保険料は上がり、貯金を減らして生活費に回しています。消費税を一刻も早く減税してください。(東京都足立区 Y・Yさん)

・食品が値上がりしています。私はスーパーの終わり時間に行き値下げになった物を買います。もっと普通の生活がしたいです。生活保護費を引き上げてください。(新潟市北区 H・Mさん)

・年金は減額の上、物価は高騰で日々の暮らしはますます厳しくなっています。政府として物価対策、特に消費税の減税を要求します。(長野県松本市 F・Nさん)

・賃金は30年間上がっていません。社会保険料なども上がっている中、毎日の食品、公共料金など、今後も値上げされます。生活が大変です。軍事費に使う税金を生活に使ってください。(神戸市北区 Y・Hさん)

・食料品が何もかも値上げされ、バランスの良い食生活ができません。公共料金も値上げされ、夏場は冷房、冬場は暖房費も使えず困っています。低所得者に一時金支給をお願いします。年金、生活保護費を引き上げてください。(山口県下関市 U・Mさん)

・今年になって毎月毎月、食料品、日用品、衣料品などの値上げ、水道光熱費も上昇し、まだまだ止まることもなく、上がる一方です。私たちの生活が苦しく、困っている状態から逃れるためには、早急に特別給付金を支給するよう要求します。(福岡県飯塚市 I・Mさん)

(2022年9月18日号「守る新聞」)

 
   
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