全国生活と健康を守る会連合会
   
トップページへ 前のページへ
 
 
全生連の紹介
会からのお知らせ
発行物の紹介
暮らしに役立つ制度紹介
各地の生活と健康を守る会
アクセス
 
守る新聞からのおもなニュース紹介 画像

会議での話が聞き取れる

補聴器助成制度の利用者急増し進化

静岡 磐田

 高齢になると難聴が日常生活で大きな問題になってきます。高額で大変との声から、全国各地で補聴器購入の助成事業が住民運動で広がっています。静岡県では磐田市に続き、藤枝市、長泉町、焼津市で実施されています。補聴器の予算が増額された磐田市の現状を、磐田生活と健康を守る会の神崎伸子さんが紹介します。

 磐田生活と健康を守る会をはじめ、地域の5団体で構成する「住み良い磐田をつくる市民連絡会」が、磐田市老人クラブ連合会と協力して、市へ請願した「補聴器購入助成制度」は、2020年4月から始まりました。
 難聴度は30デシベル以上70デシベル未満(これ以上は障害者)。70歳以上が対象で、市民税所得割額が46万円未満。1回のみ上限3万円、100人分の、予算300万円でスタートしました。
 署名運動も、老人クラブの人たちと協力して市内全域で展開し、社会福祉協議会が窓口で署名の受け取りまでしてくれました。

3年目 予算大幅増
全市的運動が力に

 2022年9月に役所の高齢者支援課を訪れた際、予算が540万円と大幅に増額されたことを知り驚きました。初年度の申請者170人のうち162人に助成が支給されていました。予算100人分は大幅に超過していたのです。
 22年度の予算が大幅に増額されたのは、前年の実績であろうと想像されます。予算を超過したので、打ち切るのではなく増額して支給したのも、やっぱり全市に広げた「署名運動」の成果だと思います。
 当時は、介護施設や病院などに組をつくって手分けして訪問しました。制度ができたときも、その結果を訪問して報告し感謝されました。きめ細かな運動が今も「補聴器助成制度」を支えて進化させています。

作った制度使おう
補聴器つけて良かった

 今年10月に補聴器を購入し助成を受けた、磐田生健会会長の乗松金作さんは「助成制度ができた当時、自分はまだまだと思っていました。しかし、家族や知人に後ろから話し掛けられたときに気が付かないことがあったりして、ぼつぼつ補聴器が必要かなと思っていました。それで、自分たちで勝ち取った助成制度を使おうと決めました」と話します。
 補聴器をつけて良かったことは、やっぱり会議での話が聞き取れるようになったことです。また、テレビを見ていても、無理に大きくして家族に迷惑をかけることもなくなりました。乗松さんは「制度は、使わなくては駄目だなと実感した」と続けます。

医療費控除できる
「診療情報提供書」を

 障害者だけでなく、補聴器購入費が医療費控除の対象になることも広げています。乗松さんが耳鼻科へ行った時の出来事です。補聴器購入のついでに医療費控除の書類をと要求したところ、「それはない」とあっさり拒否されてしまいました。
 そのまま帰ろうとしていたら事務の女性が追いかけてきて、「書けますよ」と言い書類を作ってくれました。その書類は「診療情報提供書」といいます。
 補聴器購入費を医療費控除するためには、いくつか条件があります。受診するときに医師との会話の疎通のために必要であること、それを証明する書類(診療情報提供書)、それと補聴器の金額が適正な金額であることです。
 「診療情報提供書」は補聴器が必要な時点で出してもらえます。適正な金額というのは、具体的な金額の上限などは決められていませんので、私たちが普通に購入する金額が適正金額となります。
 重要なことは、書類を要求した際に医師が「知らない」と言われた時の対応です。私たちが正しい知識で「診療情報提供書」を要求することが大切です。

(2022年12月18日号「守る新聞」)

 
   
  Copyright (C) 2007 全国生活と健康を守る会連合会 All Rights Reserved.