全生連2023年度予算要求中央行動(12月6日〜8日)
切実な実態訴え、改善を求める
全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は12月6日〜8日、2023年度予算要求中央行動を行いました。6日は全国保険医団体連合会とマイナンバーカード(保険証)の導入問題などについての懇談、内閣府に「物価高騰手当」の申し入れ、7日〜8日は5班に分かれ中央省庁との交渉、7日午後に「実態告発集会」を行いました。(齊藤 豊)
物価高騰が生活を直撃
交渉で着実に前進を
新型コロナウイルスの感染状況・防止の観点から今回も行動はオンラインを中心に行われ、東京の会場と全国のオンライン会場を合わせ3日間でのべ202人が参加しました。
行動の中心となった7日の中央省庁との交渉の開会あいさつに立った丸山秀子副会長は「いろいろ大変な状況になってきている。政府から、2023年度から5年間の軍事費の総額を43兆円にするという話が出ている。そのような中で、物価高騰が年末にきて私たちの生活を直撃している。今日と明日の交渉でみなさんと一緒に頑張り、一つ、二つ、着実に前進させていきたいと思っている。北海道や東北地方で大雪の情報もあり、東京もかなり冷え込んでいる。これから寒さが本番になり、みなさんの体も大変だと思うが、今日・明日の中央行動と、全生連が現在取り組んでいる(生活保護基準引き上げの)個人請願署名を何としても1万人分やり切り、みなさんと一緒に新しい年を迎えたいと思う」と述べました。
その後、西野武事務局長から、この後の交渉の流れや注意点などの説明があり、交渉に入りました。
7日の午前は、1班がオンラインで、厚生労働省と生活保護の基準について交渉しました。
午後には「実態告発集会」が開催され、日本共産党中央政策委員の谷本諭さんによる「軍事費2倍化で社会保障はどうなる」と題した講演が行われました。続いて、全国から8人が実態告発発言を行いました。
8日の午前は、2班が同じくオンラインで生活保護の運用について、午後は、3班が国民年金、介護保険、後期高齢者医療、国民健康保険、児童扶養手当について(オンラインで)、4班が公営住宅、原発、災害について、5班が就学援助、住民税について(4、5班は対面で)、それぞれ厚生労働省、国土交通省、経済産業省、文部科学省などと交渉しました。
交渉では、コロナ禍や価格高騰の中で苦しい生活を強いられている会員や生活困窮者の切実な実態が訴えられ、予算配分、制度改善を求める声が次々と上がりました。
現場のことを知らない
自治体任せの国だ
参加者の感想です。
「国はすぐ『最低限度の生活』という言葉を使うが、『健康で文化的な』を置き忘れている。人間らしく生きる生活を保障するためにどうしたらよいのかの視点が欠けている」「職員から財源や負担が大きいなどの言葉が何度も出てきて残念。『財務省から予算を引っ張ってくる』と言うような人が誰もいない」「現場のことを知らない人が回答している。自治体と話し合いができていないのが残念。自治体任せの国だということがよく分かった」(1、2、3班)
「介護保険改悪をやめてほしい。利用者負担の2倍化は何としてもやめてほしい」「介護保険改悪は大きな社会的問題。絶対に許すことはできない」(3班)
「『学校病』の見直しは平成25年に行われた後、一度も見直されていないことに驚いた。実態が全く反映されていないことに平然としている職員の態度に二度びっくり」「違法、不当な差し押さえを放置している。全然反省がない」(5班)
(2022年12月25日号「守る新聞」)