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軍事費大幅増に各地で怒りの声!

外交で平和守り、社会保障に予算を

 政府は昨年12月23日、2023年度予算案を閣議決定し、一般会計の総額は114兆3812億円と、11年連続で過去最大を更新しました。うち、軍事費(米軍再編経費含む)も、22年度当初予算比26・4%増の約6兆7880億円で、9年連続で過去最大を更新しました。また、同月16日に、憲法違反の敵基地攻撃能力保有を盛り込んだ「安保3文書」を閣議決定。軍事費を今後5年間で計43兆円に、大幅に増額する方針です。これらの方針に対し、全国各地で怒りの声が上がっています。沖縄と京都からの訴えです。

武力で平和は守れない
沖縄県生活と健康を守る会連合会
会長 仲西常雄

 岸田政権の暴走は目に余ります。「安保3文書」なるものを閣議決定し、「敵基地攻撃能力」を構築し、米軍の指揮下に入り、先制攻撃を可能とする軍事力を拡大強化するといいます。米国の言いなりに、防衛予算をGDP比2%にするといいます。軍事費が年間5兆円規模から10兆円規模に跳ね上がります。
 一方、この40年間、社会保障費は毎年削減され、年金は尻すぼみ、医療・介護はばっさり切り捨てられてきました。今後、さらなる大増税も予定されています。まさに、本末転倒の政治です。
 武力で平和は守れません。わが国は、先の大戦での2000万人のアジア諸国民と300万人の日本国民の犠牲の上に、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」と決意して日本国憲法を策定しました。日本国民は「恒久平和を念願」し、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」「武力による威嚇(いかく)・使用」を永久に放棄したはずです。
 敵基地攻撃能力の構築はそれとは真逆の暴走であり、沖縄に自衛隊の増強やミサイルの配備など要りません。辺野古新基地建設は直ちに中止すべきです。
 軍事同盟をなくし、外交交渉と話し合いによる信頼関係の構築こそ、理性ある人間がやるべき平和な世界づくりです。戦争反対、軍事費を削り、社会保障に予算を回せの声を、さらに大きくしましょう。

「新しい戦前」にさせない
京都・伏見生活と健康を守る会
事務局長 加藤東平

 私は、夜学生時代から「父たちの世代は、なぜ、あのような戦争にノーの声を上げられなかったのか」しっかり解明しなければという思いを持ち続け、近・現代史を学び、一昨年に『民衆の心情を問う日本ファシズムの源流へと遡(さかのぼ)る』という1冊にまとめました。
 そこで浮かび上がったのは、「軍事費の推移」です。
 明治維新に続く西南戦争で41・4%(国家財政比)に膨らんだ軍事費は、日清戦争では69・4%、日露戦争では81・9%、ワシントン軍縮条約が成立しても45・7%、太平洋戦争突入で85・3%に達しました。戦争時ではなく、平常時でも、30〜40%前後が軍事費で占められました。
 これでは、国民、とりわけ生活困窮者に税の配分が回るはずがありません。それどころか、軍事国債を買わない者は「国賊(こくぞく)」とされたのです。
 一度膨らんだ軍事費は、国民の生活がどんなに疲弊しても膨らみ続けます。もし縮小すれば、軍需産業を支える重工業が衰え、持たなくなります。首切り不況になり、悪循環で経済も回らなくなります。軍事大国とは、そのような国家構造になるということです。
 伏見生活と健康を守る会では、「機関紙『たより』号外 閣議決定された安全保障3文書の解説」を班会で討議し、お笑いタレントのタモリさんが先日、テレビ番組で指摘した「新しい戦前」を迎えることがないよう、今みんなで語り合うことが大事だと確認し合いました。

(2023年1月22日号「守る新聞」)

 
   
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