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青森 生活保護基準引き下げ違憲訴訟

青森・和歌山のダブル勝訴で7勝目

 全国で闘われている生活保護基準引き下げ違憲訴訟は、大きな局面を迎えています。各地で続く地裁判決は、2022年に6地裁で判決があり、3地裁での勝訴。23年も2月に宮崎地裁で勝訴判決が言い渡されました。3月24日に行われた青森地裁と和歌山地裁での判決も、両地裁共に原告勝訴の判決を言い渡しました。この勝訴判決は、まさに潮目が変わったことを裏付ける判決といえます。提訴から7年の闘いが実り、勝訴判決を勝ち取った青森の判決後の様子と原告や参加者の思いを紹介します。

喜びかみしめる

 3月24日、青森地裁での判決日。青森県内各地から120人が裁判所に詰めかけ、56人が傍聴しました。他の参加者は裁判所前でアピール行動をしながら判決を待ちました。
 午前11時、鈴木義和裁判長は、いつになく大きな声で厳粛に判決文を読み上げました。「各保護変更決定処分をいずれも取り消す」
 裁判所の外で待機していた人たちの前に、堺啓輔弁護士と大谷直弁護士が「勝訴」の旗を持って走ってきた途端、大歓声が上がりました。飛び上がって喜ぶ人、涙が止まらない人、抱き合う姿もあり、拍手が鳴りやまず、しばしみんなで喜びをかみしめました。
 そして、70人でデモ行進。宣伝カーと原告を先頭にシュプレヒコールを上げながら行進しました。
 行進後も、毎月街頭宣伝しているJR青森駅近くのデパート前で30人で宣伝しました。
 青森生活と健康を守る会の成田保副会長が「勝利」の報告をしました。闘いを始めた頃に思いをはせながらの言葉には熱がこもっていました。

早く判決認めて

 午後1時半からの会見・報告集会には、報道8社と、支援者70人が参加しました。
 初めに葛西聡弁護団事務局長から判決内容の説明があり、「裁判長は、国の判断は客観的数値などとの合理的関連性を欠き、専門的知見との整合性を有しないもので、判断の過程に過誤、欠落があると指摘した」との報告がありました。
 続いて参加者から熱い激励の言葉がありました。
 青森生健会の成田明雅会長「全力を上げて支援した成果が出た」。
 八戸生健会の大道亮一理事「裁判提訴から大奮闘してきた神田洋一事務局長(2021年死去)、闘いさなかで亡くなった原告の川森レイさんの墓前に報告したい」。
 年金者組合青森県本部の小池中執行委員長「年金裁判に勇気と力を与えてくれた」。
 弁護団は「司法は生きていると思える判決。控訴しないよう強く求めていく」「実態がリアルに伝わったことが最大の勝利」「原告には苦労をかけてきたが、『楽しかった、原告として頑張れてよかった』と言ってくれたのが嬉しい」「ここまでしないと勝てないことは問題。原告がここまで苦労しなくてもいいように闘い続ける。少なくとも2013年以前の基準に戻せと求めていく」など力強く訴えました。
 最後に原告から力強い決意表明がありました。
 神覚原告団長は「今現在生活が苦しい。判決を認めて早く結論を出してほしい」。
 佐藤明夫さんは「軽い気持ちで原告になったが、それではだめだと頑張ってきた」。
 郡川恵美子さんは「この裁判に命をかけている。裁判があるから病気と闘っていると、命尽きるまで頑張った川森さんの思いも受けて頑張ってきた。苦しさを分わかってもらえてうれしい」。
 集会のさなかに「和歌山でも勝利」との一報が入り、大きな拍手が沸き起こりました。
(菊池嘉任通信員、神 江美通信員)

(2023年4月9日号「守る新聞」)

 
   
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