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8年の闘い実り勝訴!全国8例目

生活保護基準引き下げ違憲訴訟・埼玉判決

 国が2013年から15年に行った生活保護基準引き下げは違憲、違法として埼玉県内の保護利用者35人(うち9人死亡)が減額処分取り消しなどを求めた訴訟で、さいたま地方裁判所(倉沢守春裁判長)は3月29日、一部の原告を除き処分を取り消す判決を言い渡しました。原告勝利は全国で8例目です。(齊藤 豊)

喜び分かち合う

判決内容は問題あり

 3月29日13時19分、さいたま地方裁判所から出てきた原告弁護団の古城英俊弁護士と鴨田譲弁護士が「勝訴」「保護費引下げの違法性認める」と書かれた垂れ幕を掲げると、門前で待ち構えていた支援者から「やった!」「勝ったぞー!」などと一斉に歓声と拍手が沸き起こりました。原告も加わり、提訴から約8年の長い闘いが実ったことへの喜びを分かち合い、慰労し合いました。
 その後、埼玉県県民健康センターで報告集会と記者会見が行われました。古城弁護士は「判決は、生活保護基準引き下げ処分の取り消しを認め、国家賠償請求は認めないというものだった」と報告しました。また、判決内容について「今回の判決は、他の地裁で原告勝利の判決が出た際の全てに認められてきた『デフレ調整』の違法性は認めず、『ゆがみ調整』の『2分の1処理』の部分を違法と判断した」と説明。勝訴判決自体は全国で8例目だと述べました。
 小林哲彦弁護士は「結論としては勝ちの判決で、ほっとしている。しかし、内容には問題が多い判決だ。基準引き下げの最大の問題点である『デフレ調整』の部分で被告の主張を丸のみしている。さらに『ゆがみ調整』の本体も問題はないとしており、ただ、そのうちの『調整幅を2分の1としたこと』に合理的な説明がないことで、全体の(基準引き下げの)処分を取り消した」と述べました。

基準戻してほしい

涙ながらに語る

 原告の濱田道子さんは「厚生労働省は変わってほしい。引き下げ前の基準に戻してほしい。物価高もあり生活が苦しい中、そうなれば私たちも少しは息がつける」と話しました。
 同じく佐藤晃一さんは「勝ててよかった。今までに多くの原告の仲間が亡くなったが、彼らも天国で喜んでくれていると思う」と涙ながらに話しました。
 同じく荒川公男さんは「今日の判決は支援者や家族の協力のおかげだ。基準引き下げは私の生活を経済的にも精神的にもより厳しいものにしたが、あらゆる人に影響を与えるものだ。みなさんの分まで今後の闘いも頑張りたい」と話しました。

(2023年4月16日号「守る新聞」)

 
   
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