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ゆとり持てる教育条件の整備を

6団体で市教委交渉

大阪・岸和田

 進む少子化の中で新生児が80万人を切る事態となり政府は「異次元の少子化対策」を掲げますが、小中学校の児童生徒に支給される就学援助制度への国からの補助は一括交付金に改悪して以降、自治体での運用が厳しくなっています。大阪府岸和田市では共同で教育要求を取り上げて、給食費や学用品費が支給される就学奨励制度の改善を求めています。

維新市政の6年で
独自施策が改悪へ

 岸和田市では、大阪維新の会公認の市長になって2期6年目を迎えています。
 「国基準を上回る施策についてゼロベースから見直す」として、「市独自」の施策を後退させています。例えば、少人数学級の市独自の実施を求めても「逆に不公平となる」と言い、貯金はたくさんあるのに「財政最優先」と、この6年間削ってきています。
 そうした中で、岸和田生活と健康を守る会など市内6団体で構成する就学奨励制度をよくする岸和田連絡会は4月27日、「教育費負担の軽減と教育条件の整備を求める要望書」(3月28日提出)に基づき、岸和田市教育委員会と交渉しました。5団体から13人が参加し、市教委からは総務課長以下5人が出席しました。

就学奨励制度利用
23・2%の認定率

 岸和田市の就学奨励制度の昨年度の状況は、小・中学校合わせて3955人が申請し、認定は3334人、全児童生徒に対する認定率は23・2%でした。非認定者が661人にもなり、このうち589人(89%)が所得基準オーバーによると報告されました。
 この点からも「適用基準の引き上げ」を求めましたが、今年度の適用基準は所得で昨年より1000円引き下げられました。4人世帯で「持ち家の場合」280万円(給与収入で418万4000円)、「借家の場合」334万1000円(同485万2000円)、になりました。
 中耳炎など学校病にかかった場合に診察してもらえる医療券の発行で、「マイナンバーの記入を強要しないこと」については「(医療券発行の)申請書には、その記入の欄をなくした」との回答がありました。

学校給食の無償化
予算付けて継続を

 少人数学級の市独自の実施を求め続けていますが、「加配など人の配置が必要となるが、今年度の予算にはない」と回答。少人数学級の必要性は認めつつも、「市長会などを通じ国・府に要望している。市独自にとは考えていない」としました。参加者は「少人数学級の実施などでもっとゆとりの持てる教育条件を整備していくことに、予算を回してほしい」と訴えました。
 学校給食の無償化継続では、国からの補助がなくなったからと昨年10月から3月までで打ち切り、「どうしてもアップせざるを得ない」と1食につき20円の値上げを強行しました。小学校低学年252円、中学年255円、高学年258円、中学校は310円になり、1か月20日分として中学生では6200円にもなります。
 その他、「トイレの洋式化をさらに進めること」「保健室だけでなく、女子トイレ個室にも適切な生理用品を設置すること」などを求めました。
(小林十三夫通信員)

(2023年5月21日号「守る新聞」)

 
   
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