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住まいは人権!

誰もが安心して暮らせる住宅を

公営住宅などの改善求め各地で運動

 全国生活と健康を守る会連合会は「住まいは人権」として、公営住宅などの大量建設と速やかな修理修繕、家賃減免の拡充、入居継承規定や入居時の保証人の廃止などを求め全国各地で運動しています。札幌・厚別区から市営住宅修理修繕の早期実現、北九州から市の劣悪な住宅状況についての報告を紹介します。

札幌 厚別区
要望の翌日に実現
負傷原因の共用部が修繕

 札幌市の厚別区生活と健康を守る会と北海道生活と健康を守る会連合会は6月6日、札幌市住宅課へ、市営住宅共用部分の修理修繕について、要望書を提出しました。
 厚別区の市営もみじ台団地に住むYさんは6月2日の夜、サンダルで外に出た際に、共用出入口のサッシのレール金属カバーにつまずき、爪(つめ)が剥(は)がれるけがを負いました。金属カバーはぼろぼろに腐食しており、鋭利になっている部分がありました。Yさんが17年前に入居した頃から、腐食していました。
 Yさんは以前から危険を感じていて、自治会に修理の要望をしたこともありましたが、修理されていませんでした。けがをする事故が起きてしまい、他の人もけがをしてしまうかもしれないと思い、写真を撮り、厚別区守る会を通して修理修繕の要望をすることにしました。
 6月6日に、Yさんが作成した書類を基に要望と経過をまとめ、要望書を市の住宅課に提出しました。
 対応した市の係長は「急いで対応する」と約束しました。
 翌7日、厚別区守る会の吉村理智子事務局長のところに、住宅管理業者から「本日の14時に修理修繕を行います」と連絡が入りました。吉村事務局長同行のもと、管理業者の職員から、Yさんに謝罪がありました。
 その後、共用出入口は修理され、Yさんも安心しました。
(「ふくしの窓」から)

北九州
劣悪な状況の改善を
政令市最低の住宅扶助など

 福岡市には国連人間居住計画(ハビタット)福岡事務所があり、アジア太平洋地域を担当しています。ハビタットは1996年、「住まいは人権」との宣言を出し、日本政府も署名し「住宅政策を拡充していく」ことを国際的にも確約しました。
 ところが、高額家賃と劣悪な住宅状況は改善されていません。特に生活保護利用者の場合、1級地  2の北九州市が、単身世帯で2万9000円(政令指定都市の中で最低額、中核市を含めても最低水準)しか住宅扶助を認めないため、6畳1間で押し入れもない住宅に多くの人が住んでいます。
 また、生活保護利用者や高齢者の入居を拒む大家(おおや)もいます。そのような中、「住宅確保要配慮者」の“入居を拒まない”賃貸住宅(セーフティネット登録住宅)制度が2017年、国の制度としてできました。「住宅確保要配慮者」とは、低額所得者(月収が15・8万円以下)、被災者(発災後3年以内)、高齢者、障害者、子ども(高校生相当まで)を養育している世帯です。しかし、その住宅も劣悪さは同じです。
 住宅セーフティーネットの根幹である市営住宅も、日本共産党の出口しげのぶ市議の調査では、退去後、修繕をせずに放置している戸数は547戸もあります。市営住宅事業は年間34億円の黒字。1戸当たり100万円で修繕したとしても5億4700万円で、十分なおつりがきます。市はこれを出し惜しみしているため、入居申し込みの競争率が20倍を超える団地もあります。
 日本は長年、住宅確保を「自己責任」としてきました。誰もが安心して人間らしく暮らせる住宅を保障する「住まいは人権」を実現すべきです。
 (八記博春通信員)

(2023年7月16日号「守る新聞」)

 
   
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