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切実な実態訴え、改善強く求める

全生連2024年度概算要求中央行動(7月25、26日)

 全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は7月25、26日、衆議院第一議員会館などで2024年度概算要求中央行動を行いました。ここ数年、新型コロナウイルス感染症の流行で控えられてきた中央省庁当局との対面での交渉が全面的に再開。全国各地の会員が久しぶりに現地参加し(オンライン併用でのべ200人以上が参加)、各地の切実な実態や要求を当局担当者の眼前で訴え、制度改善、予算配分などを求めました。(齊藤 豊)

思いぶつけよう
命に関わる声だ

 初日の25日は、初めに全体集会を行い、全生連の三浦誠一副会長が「今回は久しぶりの全面的な対面での交渉だ。活発に交渉し成功させよう。健康保険証廃止の問題などで岸田政権はぼろぼろだ。生活保護基準引き上げの要求など、みんなの募る思いを当局にぶつけ頑張ろう」と開会あいさつ。続いて、来賓の日本共産党の倉林明子参議院議員が「猛暑、電気代の高騰や物価高などの中で、年金は上がらず、生活保護基準も引き下げたままでどうして暮らせるのか。全生連の要請行動は本当に命に関わる声だ。頑張って行動を成功させてほしい」と激励あいさつを行いました。
 2日間の行動は、3班に分かれて行い、初日は、1班が生活保護の基準、運用で厚生労働省と交渉を行いました。翌26日は、2班が国民健康保険と高齢者医療制度、介護と年金で厚労省と、物価高騰問題で内閣府と、3班が住民税で総務省と、公営住宅で国土交通省と交渉を行いました。
 残念ながら全体的に目立った成果はありませんでしたが、参加者は各地の実態を訴え、政府の責任を追及し改善を強く求めました。
※交渉内容は次号詳報

現状を把握しろ
「ふざけるな」と言いたい

 参加者の感想の一部を紹介します。
 「4年ぶりの対面での交渉で、当局に直接、生の声を届けられたのはよかった」「厚労省は『分かった。検討する』と繰り返すだけで実際にはどうもなっていない。『ふざけるな』と言いたい」「参加者の『気温や物価が上昇しているのに10年前のデータで検討されたら生活できない』『(生活保護利用者の自動車保有の件で)買い物での使用を認めないことは国際社会では非常識で恥だ』などの発言はもっともだと思った」「国交省は自治体任せの回答で、現状を把握しておらず進歩していない」―。

保護基準引き上げと物価高対策給付金を
厚労副大臣に署名提出

 全生連の吉田松雄会長、西野武事務局長、藤登喜恵全国理事らは7月25日、日本共産党の倉林明子参議院議員と共に厚生労働省会議室で、羽生田俊(はにゅうだたかし)厚労副大臣と面会し、「原告勝訴判決に従い直ちに生活保護基準を引き上げ、物価対策給付金をすべての国民に支給することを求める要望書」の署名1万6228筆を提出しました。東京・中野生活と健康を守る会の木村良太さんは「生活保護利用者は生活費の中で食費の占める割合が大きい。物価高で食費や光熱費などを削らざるを得ず生活が苦しい。以前のオイルショックの時のように保護費を引き上げてほしい」と訴えました。
 また、それに先立ち一行は参議院議員会館内で、厚労省に対し「健康保険証廃止の中止を求める要望書」を提出しました。要望内容は、(1)国民皆保険制度を壊す健康保険証を直ちに撤回し中止すること、(2)国民健康保険において、短期保険証と同様に、特別療養費に変更する「事前通知」(実質的な資格証明書)は速やかに廃止すること、です。
 いずれの要望でも、厚労省は現状を追認するだけで、改善の意思を示しませんでした。

(2023年8月6日号「守る新聞」)

 
   
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