全国生活と健康を守る会連合会
   
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人間らしく生きるため力合わせよう

全生連 2024年新春 青年座談会

 生活と健康を守る会では近年、青年・壮年層への活動の継承が大きな課題の一つとなっています。2024年は全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の創立70周年の年です。全生連の未来を語ろうと、吉田松雄会長と全国の20〜40代の会員4人で新春座談会を行いました。(齊藤 豊、永久俊満)

 吉田会長(以下、吉田) 全生連は今年で創立70周年を迎えます。今日は若手のみなさんの生活と健康を守る会(守る会)への思い、活動で感じていることなどについて話し合いたいと思います。まず、みなさんが守る会に関わった、または就職することになったきっかけについて聞かせてください。

地域で、保護利用で

さまざまなきっかけ

 倉島智恵子さん(同、倉島) 新潟の倉島です。私は以前、高齢者介護の仕事をしていました。それを辞めた後、守る会の会員だった父がたまたま吉田会長に会ったときに誘われ、生活相談員などをしていたこともあり、新潟県生連の事務局員になりました。
 小山真樹さん(同、小山) 千葉の小山です。私は、生活保護を利用した時に、地域の人から守る会のことを聞き入会しました。その後、パソコンの職業訓練に通っていた時期に会の人に誘われ、千葉県生連の事務局員になりました。
 染谷龍之介さん(同、染谷) 東京の染谷です。私は地域の民主青年同盟の地区委員長をしていましたが守る会のことを知らず、高齢者や住宅の問題などで地域の守る会の人と話す機会があり、その後、事務局に誘われ、今年10月から足立守る会の事務局員になりました。
 吉村和実さん(同、吉村) 京都の吉村です。私は約2年前に大きな手術しましたが後遺症で仕事ができなくなり、役所に生活保護の申請に行ったところ、受け付けてもらえませんでした。その後、知人から守る会のことを聞き、会に相談後、生活保護を利用できるようになり、入会。現在は京都南区守る会の理事をしています。
 吉田 次に、新年の抱負や趣味などについて聞かせてください。

会食やフットサル

やりたいこといろいろ

 倉島 私は、コロナ禍で会食の機会を減らしていたので、食べ歩きに行きたいです。また、以前していた編み物を再開したいです。
 小山 私は、好きな音楽グループのコンサートに行きたいです。それと、千葉県内の小旅行を続けたいです。抱負は、1日1時間、読書などで学習する時間を持ちたいと思っています。
 吉村 私は以前から趣味は仕事というような人でした。その仕事ができなくなり、最近ようやく障害者就労を始めることができたので、それを頑張りたいと思います。守る会に関わるようになって、以前にはあまり興味がなかった政治などのニュースを見るようにしており、勉強していきたいと思っています。
 染谷 私も会食をしたり、誰かとお酒を飲みに行ったりしたいです。また、趣味のフットサルを楽しんでいきたいと思っています。

要求が大事

活動で感じること

 吉田 会員拡大や要求実現などの活動の中で感じていることを教えてください。
 倉島 コロナ特例の緊急小口資金と総合支援資金がありますが、地域の社会福祉協議会(社協)が積極的に宣伝しないので、守る会のチラシを見て、貸し付けが受けられて、「知らなかった。教えてもらいよかった」という人など、会員の声を直に聞くことができたことがよかった。守る会が、社協の対応の悪さに対し、懇談などを設けて改善に結びつけるというところもよかったと感じました。
 小山 班会というか集まりで、いつもは「近況報告はありません」と言う人が、軍用機オスプレイが自宅付近を飛んでいることから体調が悪くなったので、飛ぶのをやめてほしいという話をしていて、いつもは話すことがないと言っている人が自分の言葉で訴えている姿を見て、守る会は要求の声を出した人と一緒に運動していく会なんだということを改めて感じました。
 染谷 入会して2か月の中で感じていることは、貧困と格差解消と低所得者支援というのが守る会の特質だと思いました。守る会を若者にも知ってもらいたいですが、最近、都営住宅が高齢者向けのようになってしまい入れなくなっていることもあり、若者にどのように声を掛ければいいのか迷っている状態です。若者の学費の問題や要求などの運動を財政活動や拡大とセットにしてやっていかないと、若い役員や後継者は生まれないと感じています。大事なのは「私の要求」だと思っていて、班会などで40、50代の要求を聞くというのも大事だと思っています。
 吉村 私は、足が悪いので会員や読者ふやしにあまり携われていないのですが、会員に喜ばれたのは、今年、3年ぶりにそうめん交流会をやったことですね。公民館を借りて、そうめんを食べるだけではなく、歌を歌ったりいろいろなレクリエーションをしました。私も入会してそれほどたってはいないのですが、コロナ禍前はやっていたそうです。コロナ禍が落ち着いてきたので、久しぶりにやりましょうということで50人くらいが集まってやりました。
 小山 千葉ではバーベキューやフリーマーケット、工場見学なども行われていました。コロナ禍でなくなっていましたが、このところバス旅行や温泉旅行をするところが増えてきましたし、みんなに喜ばれているという話を聞いています。

参加者を増やしたい

活動での悩み

 吉田 活動で悩んでいることはありますか。
 小山 千葉県は会員数600世帯くらいですが、実際に運動に携わっている人は200人までいかないと感じています。それが県連の課題です。総会でも会の原動力は班会と役員会と話していた組織もありました。会の活動に参加する人を増やしたいし、役員が中心ではなく班会、会員が主人公になるような会にしたいと思っています。しかし、役員の負担が過大という問題を乗り越えられておらず、若い人も役員にも人がいないという状況となっています。
 染谷 どうしても役員などが援助をしないと班会が開けない班があります。しかし、班会で「守る会に入ってよかった」という話を聞き、さらに聞いてみると「友達にはこんな話はできない。班会の参加者なら言いやすい。この団体だったら言える」というのが理由でした。「来月も班会があったら行きます」と話していたので、援助体制を整えて、一人ひとりの要求も踏まえて班会を増やしていけたらいいと思いました。
 吉村 高齢の会員が多いので、若い人がもっと入ってきてほしいって思います。

きっかけは署名

若者との結びつき

 吉田 若い人との結びつきをつくるための知恵はありますか。
 染谷 裁判の署名宣伝の中で、署名してくれた20代後半の人と話して連絡を取り合っています。
 吉田 新潟でも、署名宣伝で40代くらいの夫婦と話をして結びつきができた事例を聞いたことがあります。
 倉島 若い人の人口が減っていることもあり、活動しようという人が減っていると感じています。つながりたいと思っている人もこちらもきっかけをつくるのが難しくなっていると感じています。
 吉田 私たちもそのことをもっと研究しないといけないし、勇気を持って踏み出すことが課題だと思います。
 倉島 新潟の阿賀町での組織をつくる経験でいうと、そこで活動ができたのは、核となる相談を聞く人がいたこと、相談に来た人が自ら動く人だったというのが大きいし、要求だけでなく、その人がつながりのある人に声を掛け拡大にも動いたことがあると思います。
 小山 千葉の、九十九里町、芝山町、横芝光町の3つからなる山武郡守る会では、生活保護利用者の車の保有の件で相談したことがきっかけで車の保有の学習会をしたことから、会員以外の人が結構集まり、そこから会ができました。
 染谷 班の話ですが、拡大したときに班がないところだとどのように班にしていくかが大変なので、班の核になる人にどのように働きかけるかが重要だと思っています。
 吉村 私はまだ、班会に顔を出してみてと誘われているところです。
 倉島 全生連の70年という長い歴史を実体験していないので、これから活動に参加する人はそれを知った上で活動しなければならないというところは大変だと思います。
 小山 要求から制度改善をさせてきた歴史はすごい。また、憲法25条を自分ごととして話せるのはすごいと思います。

共通認識のある仲間

守る会の良いところ

 吉田 最後に、守る会の良いところはどんなところだと思いますか。
 倉島 生活を良くするには政治が良くならないと、という共通認識のある仲間がいる、自分ごととして政治を身近な話として話せる人たちが集まっているところが良いところだと思います。
 染谷 困っている人が連絡をくれれば、改善できる点を見つけられるかもしれないし、役所に同行してあげることができるのが良いところだと思います。
 吉村 「困っていることがあったら来てください」とやっているところが良いところだと思います。
 吉田 私は、守る会は人間らしく生きるために、お互い励ましあい支えあって生きている集団だと思います。さまざまな人がいる中で、人が人らしく生きるために、相互に認め合う。そこを目指している人たちが集まっているところが良いところだと思っています。
 小山 私も、人が人らしく生きるために力を合わせるところが良いところだと思います。また、一般の人で制度を良くしようと思って行政の窓口に行く人はあまりいないですが、「制度を良くしていこう」とか、おかしいことを「おかしい」と言えるところが良いところだし、強味だと思います。
 吉田 今日はありがとうございました。今年も頑張りましょう。
(終わり)

(2023年12月31日・2024年1月7日合併号「守る新聞」)

 
   
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