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長年の要求ついに実現

第9期介護保険料1割減額に

滋賀県大津市

 介護保険制度の保険料は、3年ごとの見直しで決められ年々高くなっています。4月から始まった第9期で、多くの自治体が保険料を引き上げる中、滋賀県大津市では引き下げを実現しました。

詳細な資料で議員要請

 大津生活と健康を守る会は、介護保険料を引き下げてほしいと長年、審査請求運動を行ってきました。大津生健会も加わる大津社会保障推進協議会(社保協)の取り組みで、大津市は第9期介護保険料を、第8期に比べ1割減額することになりました(表)。

 保険料引き下げのきっかけは、大津社保協が介護保険特別会計に55億円もの基金があることを明らかにして、昨年11月市議会に基金を活用して介護保険料の引き下げを求める請願を行い、賛成多数で採択されたことです。
 請願に際しては、保険料引き下げについて詳細なシミュレーション結果を基に市議会各会派に説明を行い、要請行動も行いました。

毎年数十人が審査請求

 保険料引き下げ実現の背景には、55億円の基金の存在と、昨年12月に行われた第9期大津市高齢者福祉計画・介護保険事業計画に対するパブリックコメントで、17人から88件のコメントが提出され、基金を活用して保険料の引き下げを求める意見が8件も出されていたことがあります。
 そして2017年度から生健会を中心に、介護保険料に対する行政不服審査請求を数十人単位で行ってきたことです。審査請求の文書には「介護保険料が生活を圧迫している」など、「私の一言」を付けて提出しました。
 介護保険制度は、国民健康保険や後期高齢者医療保険と違って、基金を持つ必要がほぼない制度であることから、審査請求行動の中で、担当課と基金を使うよう申し入れていました。
 保険料引き下げのために約37億円の基金が取り崩される予定です。55億円もの基金をため込んでいたので、引き下げは当然なこととはいえ、市民・被保険者の声、運動が力になったことは確かです。
 生健会の池田千枝子事務局長は「私たちの要求が実現して、とてもうれしい。蟻(あり)の一穴(いっけつ)です。介護保険料の決め方には不合理な点があり、今年も審査請求で不合理を正すために頑張ります」と語っています。
(八木 修通信員)

(2024年4月28日号「守る新聞」)

 
   
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