運動で介護保険減免制度が改善
交渉では生活実態を突きつけ市を圧倒
秋田市
国民健康保険税(料)や介護保険料などが決定し、減免の運動が全国各地で行われています。減免の申請とともに減免制度の改善に取り組み、秋田市から前進回答を引き出した秋田生活と健康を守る会の介護保険の減免運動を紹介します。
通帳提示求めない
秋田生活と健康を守る会は4月18日、秋田市の介護保険課と交渉し、10人が参加しました。減免申請の受け付けや申請後の迅速な決定などで、大きな前進回答を得ました。昨年11月の交渉で参加者が自らの生活実態を訴え、市側を圧倒したことがこの前進を生み出す力になりました。
市の回答は、「昨年7月、介護保険料減免申請の受け付け時に、市が預貯金残高を記入してきた人にも通帳提示を求め、見せないと申請を受け付けられないと1時間ほども申請を受け付けなかった問題を起こしてしまった。『必要がある場合、銀行などに報告を求める場合がある』という規定だったものを担当職員が間違って対応してしまった。二度と減免申請時に通帳提示を求めるなどしない」。
「減免申請を7月の保険料納付期限前に出しているのに8月、10月の年金支給時に天引きされ、生活ができなかった。市民の生活実態を知っているのか」と追求し、市が12月の年金支給時に取りすぎた保険料を戻してきた問題について、「申請期限を守って減免申請したのに市がその減免決定を納期限内にしなかったことで大変な事態を引き起こしてしまった。今後、このような問題が発生しないように『内部マニュアル』を見直し、新しい職員にも徹底した。本当に申し訳なかった」。
減免に保護基準を
守る会は、今後に向けて次の実態を示し、次の介護保険料減免の改善を求めました。
(1)秋田市と同じ中核市が全国に54市あり、市の調査でも生活保護基準(の1倍〜1・3倍)で減免判断しているのが20市(4割)もある。秋田市も生活保護基準を基に減免を行うこと。
(2)青森市などは減免対象を1段階から7段階まで広げている。秋田市は保険料の2段階、3段階しか減免対象にしておらず、一番生活が大変な第1段階の人を減免対象にしていない問題があり、改善してもらいたい。
交渉に参加した加賀谷悦子さんは「昨年、二度も手術があり、医療費がかかって大変だった。だから生活が大変と介護保険料減免の申請をした。それなのに、市にそれが理由にならないと言われ、納得できなかった」と訴え、佐藤悦子副会長は「昨年、『減免は第2と第3段階だけしか対象にならない。守る会ではそんなことも指導していないのか』と言われた。抗議して申請を受け付けさせたが、市の対応はとんでもない」と抗議。
市は「もしそのような対応をしたとしたら、とんでもない対応だった」と回答し、今後に向け、内部マニュアルの公開を検討することを約束しました。
(後藤和夫通信員)
(2024年6月9日号「守る新聞」)