日本被団協 ノーベル平和賞受賞
核兵器に生きる権利奪わせない
広島県原爆被害者団体協議会 理事長 佐久間邦彦
ノーベル賞受賞者を選考するノーベル委員会は10月11日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞を授与すると発表しました。多くの被爆者証言を記録し、「非核化が喫緊の課題だと世界が忘れないように訴え続けた」と活動を称え、新たな世代が被爆者の経験とメッセージを引き継いでいることも高く評価しました。ノーベル平和賞を受賞した喜びを、広島県原爆被害者団体協議会(広島県被団協)理事長で広島市西区生活と健康を守る会の会員でもある佐久間邦彦さんに聞きました。
受賞知りガッツポーズ
10月11日、午後6時からノーベル平和賞の発表があるというので、私は広島県被団協の事務所に行き、午後5時ごろから待機していました。
前日、メディア数社から「明日、どこにいますか」との問い合わせがあり、事務所で待機していること伝えていました。
5時半ごろから取材の準備が始まり、「日本被団協の受賞はありますかね」「どうですかね」などと記者と話していました。
5時40分ごろからテレビをつけていました。しばらくすると、事務所内の誰かが「被団協と言っている」との声に、思わず振り向き、テレビを見てびっくりしました。
日本被団協がノーベル平和賞を受けたと分かった時、思わずガッツポーズ。
ついにその時が来たと思いました。
全ての生存者に栄誉を
受賞が発表されると、私はたちまち記者の人たちに囲まれました。
「ノーベル平和賞を日本被団協が受賞したことについてどう思われますか。率直な気持ちをお聞きしたいです」というのが最初の質問でした。
それに対し「とてもうれしいです」「ノーベル委員会が日本被団協に平和賞を授与したのは、今の世界情勢を見ると各地での紛争、ウクライナとロシアの紛争、イスラエルとパレスチナの紛争の長期化、ロシアやイスラエルは核兵器の使用を示唆しているなど、こうした中で多くの人たちが生きていく権利を奪われ、殺される、こうしたことが許されてはなりません。このような情勢の中で、これまでの日本被団協の行動が評価されたのではないでしょうか」と答えました。
ノーベル委員会は「肉体的な苦痛と痛切な記憶にもかかわらず、大きな犠牲を伴う自らの体験を、平和のための希望と活動に捧げることを選んだ全ての生存者に、栄誉をさずけたい」と述べています。
(2024年10月27日号「守る新聞」)