生活保護基準引き下げ違憲裁判
最高裁は行政の暴走を正す判断を
1万2000余の署名を提出
生活保護基準引き下げ違憲訴訟(いのちのとりで裁判)は、愛知の名古屋高裁勝訴で国側が上告したほか、大阪、秋田、兵庫の4件が最高裁判所で闘われています。いのちのとりで裁判全国アクションは11月12日、最高裁要請を行い、北海道、埼玉、東京、大阪と岡山から参加しました。北海道の原告世話人の細川久美子さんからの報告です。
11月12日の最高裁前での宣伝行動は朝8時から始まり、弁護士をはじめ原告、支援者30人以上が参加して裁判所へ向かう職員に働きかけを行いました。
北海道から参加した3人が横断幕を掲げ、「チラシを受け取ってください」と呼びかけ、足早に通勤する職員はチラシを受け取りました。
その後、最高裁の中に17人が入り、事務官に訴えました。
和田信也弁護士の進行で小久保哲郎弁護士があいさつ、続いて15人がそれぞれの立場で発言しました。
10月28日に人間裁判・朝日訴訟の地である岡山地裁で勝訴した原告を含め、4人が発言しました。
埼玉から参加した精神障害者の原告は「生活保護に至るまでの状況を知ってほしい。自分は刃物を持つことができずカット野菜など買わなければならず、お金がかかる。エアコンが壊れたが直すことができず、施設に避難したことで今まで以上に費用がかかってしまい、今無一文状態」と話しました。
次回提出は来年1月31日
北海道から参加した原告は「いつも安いものを探して自転車で買い物をしてきたけれど、もうすぐ雪が降り、それすらも困難になり大変な生活が続いていく。そのような状況をくみ取って公正な判断をしてほしい」。
原告世話人として原告に寄り添っている細川久美子さんは、生活保護を利用できたことで安心したけれど、引き下げによってどのような生活になったかの実態を話しました。
聞き終えた事務官は参加者の発言をしっかりとメモしており、「担当の書記官に伝えます」と答えました。
最後に大阪の雨田信幸さんが代表して、「この生活保護基準引き下げ違憲訴訟に寄せられた声に応えてほしい」と述べ、司法の職責を果たす判決を求める最高裁への署名1万2201人分を手渡しました。
提出した署名の累計は2万3070人分になり、次回提出は来年1月31日になります。
(2024年12月1日号「守る新聞」)