福岡生活保護基準引き下げ違憲訴訟
福岡高裁で逆転勝訴
地裁判決覆し高裁2勝目
福岡県で闘われている生活保護基準引き下げ違憲訴訟で福岡高等裁判所は1月29日、福岡地裁の判決を変更し、原告逆転勝訴の判決を言い渡しました。裁判を支援している、「いかんよ貧困・福岡の会」の懸谷(かけたに)一事務局長から判決時の様子などの報告です。
違法性認められる
1月29日、福岡高裁は、一審判決を変更し、国に対し減額処分の取り消しを言い渡しました。
判決では、国が一般世帯に対して実施した家計調査を基に物価の下落に関する調整を行ったことについて、「一般世帯と生活保護世帯とでは、消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数などに明確な違いがあり、調整にあたっては生活保護世帯の支出割合を用いるべきだった」と指摘。その上で、「厚生労働大臣の判断の過程には生活保護法の趣旨に反する誤りや欠落があり、違法性が認められる」として、引き下げを取り消しました。
勝って良かった
判決言い渡しの後、裁判所前に集まった原告、弁護団、支援者、報道関係者に向け、「逆転勝訴」「司法は生きていた」の旗が掲げられました。
念願の「逆転勝訴」を高らかに掲げた原告団長・中島久恵さんの「勝って良かった。みなさんの支援ありがとうございました」の喜びの声が響き、みんなで喜びを分かち合いました。
その後、福岡県弁護士会館の大ホールに場所を移して、弁護団と原告団を代表して9人が壇上で記者会見に臨みました。
報告集会には、会場に140人が詰めかけ、全国からオンラインでの参加もありました。
裁判を支援している「いかんよ貧困・福岡の会」は、2月3日、月1回の定例昼休み宣伝行動の第97回目をJR博多駅前で行い、高裁勝利判決を報告しました。激励の声や足を止めて話し込む人など関心の高い宣伝行動となり、引き続きの奮闘を決意しました。
(2025年2月16日号「守る新聞」)