生活保護基準引き下げ違憲訴訟
わたしたちは正しかった
愛媛・松山地裁で勝訴地裁19例目
「愛媛・人間らしく生きたい裁判」(生活保護基準引き下げ違憲訴訟)で2月28日、松山地裁は原告勝訴の判決を言い渡しました。愛媛県生活と健康を守る会連合会の泉弘事務局長からの報告です(写真は岡崎溥会長)。(声明2面)
厚労大臣は裁量権逸脱
当日は、裁判所前に原告や支援団体など約70人が入場行進に参加しました。判決後に「いのちのとりで裁判愛媛アクション」主催で開かれた報告集会・記者会見会場にも入りきれないほどの参加者で、「勝訴判決」を喜び合いました。
判決要旨では「デフレ調整は明らかに合理性を欠くといえる」とし、「厚生労働大臣の判断には、裁量権の範囲の逸脱またはその乱用がある」としています。
勝訴判決に会員からは「よかった。保守色の強い愛媛での勝訴の意義は大きい」「正直、ほっとした」「亡くなった原告に早く知らせたかった」などの声が聞かれました。
「小さな声」が重なって
私(泉)が住む内子町(うちこちょう)にいた原告の高齢女性は、漢字を読めないからと地域で後ろ指を指される生活をしてきましたが、原告の意見陳述でたどたどしく原稿を読み、生活の実態を訴えていた姿を思い出します。
社会の片隅でひっそりと暮らしている一人ひとりの「小さな声」が全国の運動と重なり大きな力となって、司法の扉をこじ開けたのだと確信します。次は高裁、最高裁へと、生健会を大きくして1日も早く勝利へ。
判決に関わる一覧
これまでに勝った判決
〈19地裁〉21年=大阪、22年=熊本、東京(はっさく)、横浜。23年=宮崎、青森、和歌山、さいたま、奈良、千葉、静岡、広島。24年=鹿児島、富山、津(三重)、東京(中野)、東京(生存権裁判)、岡山、松山(愛媛)。
〈2高裁〉23年=名古屋。25年=福岡。
3月に出される高裁判決
3月13日=大阪高裁(京都)、福岡高裁(佐賀)
18日=札幌高裁 27日=東京高裁(東京・はっさく)
28日=東京高裁(埼玉)
(2025年3月16日号「守る新聞」)