生活保護基準引き下げは違憲訴訟
最高裁「引き下げは違法」
生活保護基準引き下げ違憲訴訟の大阪と愛知について最高裁判所は6月27日、「引き下げ処分を取り消す」との判決を言い渡しました。最高裁前は約300人の支援者の歓喜に包まれました。(前田美津恵)
2013年から3年にわたる引き下げで最大10%、平均6・5%の生活保護基準が引き下げられ、提訴から11年、2割強の原告が亡くなる中での勝訴判決でした。
大阪の原告、村本千津代さん(75)は「勝利することができました。ありがとうございました」、愛知の澤村彰さん(58)は「長い裁判へのご支援、ありがとうございました。やっと認めてもらえた。判決を生かしてほしい」と語っています。
ついに勝った 歴史的快挙
全国生活と健康を守る会連合会(全生連)
吉田松雄会長
10年に及ぶたたかい。とうとう、最高裁判所から「生活保護基準引き下げは違法」との素晴らしい原告勝訴判決を手にすることができました。もろ手を挙げ、奮闘をたたえ合おうではありませんか。
この社会保障運動史に残る偉業は、全生連の奮闘なしには語れません。全国で約1万人の会員が審査請求を行い、700人以上の会員が参加して1000人の原告団を結成し、原告・弁護団・支援者と協力し、全国で宣伝、署名、学習会に取り組むなど、粘り強く闘い抜きました。
最高裁判決は、2012年の民主党、自民党、公明党の党首が、消費税増税と社会保障費削減で合意し、問答無用に生活保護費を引き下げた政治を批判する意味を持ちます。社会保障充実の国民運動を進め、参議院選挙で要求を阻む政党に審判を下しましょう。政府・厚生労働省に、生活保護基準を引き下げ前に戻し、物価高騰に見合う大幅な引き上げを要求し、国会に多数の協力議員をつくり、予算を確保するためのたたかいを、全国で直ちに開始しましょう。
(2025年7月6日号「守る新聞」)