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生活保護引き下げは違法

「逆転しない正義」われわれに

名古屋高裁金沢支部で勝訴

石川・富山

 名古屋高等裁判所金沢支部は9月17日、2つの生活保護基準引き下げ違憲訴訟で原告勝訴の判決を言い渡しました。6月の最高裁勝訴判決後、初めての判決です。金沢生活と健康を守る会の武田仁事務局長からの報告です。

石川は逆転、富山は維持

 名古屋高等裁判所金沢支部は9月17日、石川県内の生活保護利用者4人(うち1人は控訴審継続中に死去)に対して、金沢地裁一審敗訴判決を取り消して同処分が違法であるとし、控訴審は逆転勝訴しました。また、富山県内の生活保護利用者5人(うち1人は一審継続中に死去)に対して、同処分は違法であるとし、富山地裁一審の勝訴判決を維持する勝訴判決を言い渡しました。なお、国家賠償請求は両県ともに認められませんでした。
 判決では、デフレ調整に関して物価変動率のみを指標としたことに「専門的知見との整合性を欠くところがある」と指摘。「厚生労働相の判断に裁量権の範囲の逸脱(いつだつ)や乱用がある」と生活保護法に違反すると結論付けました。
 判決内容は最高裁判決と一字一句たがわぬ「コピペ判決」になり、参加者は「高裁で勝利したのはうれしいが、自分の頭で考えてほしかったというのが正直な気持ち」との思いと同時に、報告集会での原告らの発言に元気をもらい新たな闘いの決意を固めあいました。

互いを思いやれる社会に

 報告集会では、この間に亡くなった両県の原告の遺影の前で、石川の原告・真田芳弘さんは、「12年は長かったが、勝ててよかった。1週間で食費4000円の生活は楽しみがない。これから減額分の支給がどうなるのか」と話しました。
 富山の原告・村山和弘さんは、「歴史的な闘いがつながって、今日の勝利を迎えられた。裁判では弁護士が原告の思いを、魂の声として代弁してくれたのが本当にうれしかった。闘いを継承しないといけない。助け合って、お互いを思いやれる社会をつくっていこう」と話しました。
 国が謝罪し被害を回復するのは当たり前のこと、「アンパンマンの『逆転しない正義』はわれわれにある」ことが確認できました。原告の皆さんの奮闘に敬意を表し、感謝状が贈られました。

(2025年10月5日号「守る新聞」)

 
   
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