生活保護引き下げは違法
厚労省は1日も早い謝罪と補償を
仙台高裁で勝訴判決勝ち取る 青森
12月3日、青森で闘われているいのちのとりで裁判(生活保護基準引き下げ違憲訴訟)で仙台高等裁判所は、原告勝訴の判決を言い渡しました。青森県生活と健康を守る会連合会の神江美事務局長からの報告です。
楽しく闘ってきた
史上最大の生活保護基準引き下げの違法性を問うて闘った「いのちのとりで裁判」。青森地裁に続き、12月3日、仙台高裁でも原告勝訴の判決を勝ち取りました。判決は、今年6月の最高裁判決同様、厚生労働大臣の判断過程や手続きの過誤・欠落を認め、裁量権の逸脱・濫用にあたるとして引き下げ処分を違法としました。
裁判を支援する「いのちのとりで裁判あおもりアクション」は提訴から約9年、「生存権裁判(老齢加算裁判)」で得た誇りと確信を力に、宣伝、バーベキューなどで交流しながら「楽しく」闘いを続けました。
当日は、マイクロバス2台と乗用車3台、新幹線で50人が仙台高裁に向かいました。高裁前では宮城県の生健会など運動団体のみんなが笑顔で迎えてくれ、原告、弁護団を先頭にデモ行進し裁判所に入りました。約90人が参加し、裁判所の法廷に入りきらない人であふれました。
判決後、「勝訴」「司法は生きていた」「被害の早期全面回復を」の旗出しがあり、裁判所前に仲間たちの大きな歓声、原告の笑顔、涙が交差する感動の瞬間が訪れました。
決意満ちあふれる
記者会見は、たくさんの報道陣に囲まれる中、笑顔が満ち、和やかに行われました。
原告の郡川(こおりかわ)恵美子さんは、「今日1日は、何にも考えないでただうれしいこの気持ちで過ごしたい」と話し、神(じん)覚原告団長は「勝訴はうれしいが、最高裁判決後に何もしない国に一番腹が立っている。全国の原告が同じだと思う」と述べ、大きな拍手に包まれました。
つらさ、苦しさを封印しながら、「今日まで頑張ってきてよかった! 被害の全面回復まで負けない」と力強く話す原告の言葉にうるうるしながら、「1日も早い謝罪と補償を」勝ち取りたいと決意を新たにしました。
何回も高裁に駆けつけてくれた宮城県生活と健康を守る会連合会の仲間は「原告団の感想を聞き、これからも闘うぞとの気持ちが満ちあふれていた。すてきだった」との感想を寄せてくれました。
原告の決意、弁護団の熱意、仲間の献身的な支え。何一つ欠けてもきっとこの勝利はなかったと思います。これからも原告と共に心から笑える日を1日も早く迎えられるよう頑張っていきます。
(2025年12月21日号「守る新聞」)