おにぎりが買えない
保護費大幅引き上げ、死活的要求
全生連 局長要請、財務相要請
物価高騰が続き、生活保護基準がそれに見合う額ではない中、来年度予算編成で、生活保護の特例加算を2026年10月から1000円引き上げて2500円にするとの方向が出されました。十分ではありませんが一歩前進です。(前田美津恵)
生活を保障する検証方法を
全国生活と健康を守る会連合会(全生連)は12月12日、厚生労働省の鹿沼均社会・援護局長に要請を行いました。吉田松雄会長は「支給日前に保護費が残らないという状況は、40数年間この活動をしているが初めてのこと。次の検証を待たずに直ちに大幅引き上げをお願いしたい。保護基準の2027年検証に向けて第1・十分位世帯(所得を10に分けた最も低い層)との消費の比較という従来のやり方をするのか。国民、生活保護利用者の信頼に足りる検証方法をとり、人間らしい生活が保障されるような基準改定を行ってほしい」と要請しました。
生活保護を利用する東京・荒川区の平原享子さん(81)は「7月から3か月入院していた。入院前に178円で買えたものが238円になり、60円も値上がりした。おにぎりを買おうとコンビニに行ったら140円で、財布には131円しかなかった」と実態を訴えました。
中野区の木村良太さん(44)は「難病を患い生活保護を受けながら療養している。物価高騰が続き、月末になるとお金がなくなる。家の立ち退きを求められているが、都の単身世帯の住宅扶助基準の5万3700円では住める物件はない。住宅扶助基準も見直してほしい」と訴えました。
鹿沼局長は、「年末に向けて、今の消費実態などを踏まえてどうするか考えている。5年に1度の改定のほかに毎年の状況を踏まえて特例加算という形で議論してきている。基準改定では第1・十分位の人との比較をやめたほうがいいのか、やめないほうがいいのか、総合的に見ていく」と述べるにとどまりました。
判決に従い違法状態解消を
「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は12月22日、片山さつき財務大臣に26年度政府予算案に対する重点項目を要請し、全生連からは吉田松雄会長の代理として前田美津恵副会長が参加しました。全生連は「最高裁判決に基づいて生活保護引き下げの違法状態を直ちに解消すること。物価高騰に見合った支給水準の引き上げ、熱中症対策や極寒対策として生活保護利用者、低所得者へクーラーなどの設置および水光熱費支援」を要請しました。各団体から消費税の引き下げ、学校給食の無償化などの発言がありました。
これに対し大臣は、「お金があったらやりたいことばかりだ。お話いただいた要請はすべて関係する各課に伝える」と応じました。
(2026年1月11日号「守る新聞」)